SpaceCommunist氏作成のOFFtaleの邦訳記事です。
※UNDERTALEについては公式日本語版準拠ですが、OFFの世界観に合わせるため漢字メインにしています。
※OFFについては非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。
＊
玉座の間
アズゴア
ラー ララー……
アズゴア
……おや？ 誰かいるのかい？
ちょっと待ってておくれ！
もうすぐ花の水遣りが終わるからね。
アズゴア
よし！ できた。
アズゴア
ハロー！
いらっしゃい……
アズゴア
ああ……
アズゴア
すまない……
きみぐらいの年齢のニンゲンを見たのは久しぶりでね。
アズゴア
……。
アズゴア
「お茶でもいかが」と言いたいところだけれど……
アズゴア
しかし……
きみはもう分かっているね。
アズゴア
今日は、ステキな日だね？
鳥たちがさえずり……
花畑は満開……
アズゴア
最高のキャッチボール日和だ！
アズゴア
……。
アズゴア
……でもきみは、キャッチボールには興味がないかもしれないね……
そうじゃないかい？
アズゴア
暇つぶしのためだけのキャッチボールには……
バッター
……。
バッター
……ああ。
アズゴア
……なら、すべきことは分かっているね。
準備ができたなら……
アズゴア
わたしはこの先で待っている。
バリアのところへ案内しよう。
アズゴア
緊張するね……
アズゴア
こう考えてごらん……
アズゴア
歯医者さんに行くようなものだって。
アズゴア
あまりマシにはならないかもしれないけど……
アズゴア
準備はできたかな？
まだならいいよ。
アズゴア
わたしもまだなんだ。
＊
（この先で待つ、寛大なる王……）
（窮地にある者には誰であれ手を差し伸べようとする、心優しき人物……）
（彼の悲哀は、彼の責任ではない。）
＊
（あなたの脳裏に、世界を正そうとして恐るべき行為に走った王のことが浮かぶ……）
＊
（目的を失い。）
（存在する理由も、統治する理由も失った王のことが浮かぶ。）
＊
（父の愛も、妻の愛すらほとんど得ることができなかった男のことが浮かぶ。）
＊
（あなたの脳裏に……あなたのことが浮かぶ。）
＊
（……。）
アズゴア
これがバリアだよ。
アズゴア
わたしたちを地底の世界に閉じ込めているものだ。
アズゴア
もし……
アズゴア
もしきみに、まだ何かやり残していることがあるなら……
アズゴア
どうか、やるべきことをやってほしい。
→ 【続ける】
アズゴア
……そうか……
アズゴア
…………それならば。
＊
（かすかな光が部屋に満ちる。）
＊
（夕暮れの明かりが、バリアの向こうで輝いている。）
＊
（あなたの使命も終わりが近いようだ。）
＊
（浄化のケツイがみなぎった。）
アズゴア
ニンゲンよ……
アズゴア
きみと出会えてよかった。
アズゴア
さらばだ。
＊
王だ。
→ 【調べる】
＊
アズゴア＝ドリーマー ８０ＡＴＫ ８０ＤＥＦ
鏡写しの男。
→ 【思い出す】
＊
あなたは静かに、アズゴアと比べれば自分が強いと告げた。
アズゴアは重々しく頷いた。
→ 【話す】
＊
あなたは静かに……
そして、あなたらしくもなく……
アズゴアが愛されているということを語った。
＊
考えるアズゴアの手が震える。
そしてあなたの手も。
＊
お互いの防御力が１下がった。
→ 【話す】
＊
あなたはゆっくりと、アズゴアに彼の目的が何だったかを尋ねた。
アズゴアは少し動きを止めた。
＊
彼は槍をしっかりと握り、タマシイを指した。
アズゴアの攻撃力が１上がった。
＊
どうやら会話ではどうにもならないようだ。
戦わなければ。
浄化しなければ。
アズゴア
やはり、こうなるか……
アズゴア
息子が死んだ後のことは、まだ覚えている。
アズゴア
地底の世界はすっかり希望を失っていた。
アズゴア
悲しみに暮れたわたしは戦うことを誓った。
アズゴア
ここへ落ちてきたニンゲンを皆殺しにするということを、自分の使命として課した……
アズゴア
この不条理で恐ろしい監獄からみなを解放し……
アズゴア
……そして神として地上を巡り、ニンゲンたちを永久に葬り去る……
アズゴア
……そうすれば国民は、平和で幸せに暮らせるようになる。
アズゴア
当時のわたしはニンゲンのことを、生きとし生けるものたちにとっての災厄だと思っていた……
アズゴア
後で思い返して、わたしはそう考えたことをひどく恥じた。
ニンゲンは思っていたよりもずっと善良な者たちだった。
アズゴア
だが、それでもわたしは自らの神聖なる使命を遂行せざるを得なかった。
アズゴア
わたしに残されたのは妻だけ。
だが彼女もわたしに失望して離れていき、二度と戻らなかった。
アズゴア
わたしは家族を失った。
心を失った。
愛したもの全てを失った。
アズゴア
それも全ては、自分が定めた恐るべき使命のせい。
アズゴア
……。
アズゴア
わたしは、神になるべく進み続けた……
アズゴア
……モンスターたちに希望を持ってもらいたかったからだ。
みんなはわたしのような苦しみを味わってはならない。
アズゴア
正直に言えば、わたしは力なんて欲しくない。
アズゴア
誰も傷つけたくない。
アズゴア
神になんてなりたくはない。
アズゴア
わたしは、自分の希望を持ちたいとも思っていない。
アズゴア
わたしはただ、国民を幸せにしたかった。
アズゴア
正しいことをしたかった……
アズゴア
何かを成し遂げたかった。
地底の世界の人々を導く王でいることなんてもう嫌だった……
アズゴア
何一つ良いところのない王。
目的を失った王。
……役立たず。
アズゴア
もうこれ以上は耐えられない。
アズゴア
妻に会いたい。
アズゴア
子供たちに会いたい。
アズゴア
……きみには……これを終わらせる力がある。
アズゴア
きみはまだ、この地から逃げられる。
わたしたちは自分の宿命を受け入れるから、きみの宿命はどこか別のところで見つけなさい。
アズゴア
さあ……わたしのタマシイを取り……
アズゴア
この呪われた地を去るんだ……
アズゴア
わたしの使命を未遂で終わらせてくれ……
わたしに、最後の失敗をさせてくれ。
バッター
……。
バッター
……私は……
バッター
……私のために、彼を見逃す。
→ 【見逃す】
アズゴア
……。
……わたしたちに、ここまでされたのに……
……きみはわたしたちと共に生きることを選ぶのかい？
アズゴア
ニンゲンよ……
アズゴア
わたしの命ある限り……わたしはきみを傷つけない、親切にしよう、それがわたしの新しい使命だ。
アズゴア
妻が戻ってきたら、喜んで迎え入れよう……
わたしたちは３人とも、きっと良い友達になれるはず……
フラウィ
おーや おや おや。
聖人さんは自分の神聖なる使命を放棄しちゃったみたいだねえ……
お涙頂戴のお話を聞いたばっかりにさ！
フラウィ
キミが使命を果たす気がないなら……
不肖ながらこのボクが、代わりにやってあげなきゃね！
フラウィ
つ い に ボ ク は タ マ シ イ を 得 た ！ ！ ！
フラウィ
あとボクに必要なのはキミのタマシイか……
キミの身体だ……
それでキミの力を得る！
フラウィ
さあ教えてよ、聖人！
どうやって止める気だ、ボクがみんなに……
殺すか殺されるかしかないって思い知らせてやるのをさあ？？？
パブロ
このように。
続く。
