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OFF派生のまとめとか洋ゲーの和訳とか

Sincere Deceit 【青編】塔(第4階層)

JimJam氏制作のOFF派生作品「Sincere Deceit」の邦訳記事です。
ゲームのダウンロードはこちらから。
※プレイヤーの名前は「プレイヤー」に置き換えています。
※メインストーリーのみの翻訳です。実際にプレイしている際の補助として使うことを想定して作っています。メインストーリー以外の要素(NPCの会話、謎解きなど)は是非プレイして確かめてください。
※OFF非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。意訳・超訳・誤訳あり。
(前→【青編】塔(第3階層)
(次→【青編(終)】塔(第5階層)

 


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☆第4階層:始まり(Layer4: The Beginning)
過去
ザフキエル
 女王陛下、少しペースを落としてはいかがですか。このままではお身体に障ります。

クイーン
 私の身体のことなんて気にしていられないわ。
 あの子がどこかへ行ってしまったなんて時に。

クイーン
 もうすぐあの子の誕生日パーティがあるのに、出られなくなってしまう! あの子が泣くところなんて考えたくもない。

ザフキエル
 大丈夫、彼はきっと見つかります。しかしあれだけの数の亡霊を放っては、彼を探し出すのがいささか困難になるのではありませんか。

クイーン
 あれは私の目となり耳となるもの。私が誕生日パーティの支度を整えている間に、あれにあの子を探してもらうの。

ザフキエル
 分かっております。しかし彼らはその過程でこの地を荒らしてもいる。それは良いことではないのはお分かりでしょう?

ザフキエル
 彼は幼く弱い子です、女王陛下。そう遠くへは行っていないはず。このゾーンの近辺を重点的に探すべきです。

クイーン
 あの子の部屋を探したけど居なかった! きっとあの友達を探しに行ったのよ!

クイーン
 あの3人はあの子の居場所を知っていながら私に隠している! あれだけのことをしてあげたのにどうしてそんなことができるの?!

クイーン
 あの子は外で迷って、一人ぼっちで震えているのよ。あの子を見つけるためにこの世界を焼き払わないといけないのならそうするわ!

クイーン
 そしてパーティを開くの。ケーキもプレゼントもある。全ては私たちの可愛い坊やのため。

クイーン
 あなたも来てくれるでしょう?

ザフキエル
 ……もちろんです。ご心配なく。


エイブラム
 ザフキエル。
 話がある。今すぐに。

ザフキエル
 ふん。どうしてもというなら仕方ない。何の用だ、エイブラム?

エイブラム
 アダムに話を聞いた。それが真実かどうかを確かめなくてはならない。

ザフキエル
 そいつが? 話とは?

エイブラム
 この戦争を仕掛けたのはお前だったのか?

ザフキエル
 どうして私がそんなことをする必要がある、エイブラム。私は人々が死ぬ様など見たくない。

エイブラム
 なら誰が?

ザフキエル
 エイブラム、今は女王陛下と話しているのだ。
 そんなくだらないことを話している場合ではない。

エイブラム
 誰がやったんだ?!

ザフキエル
 ……

クイーン
 邪魔をするのは誰? 私はザフキエルと大事な話し合いをしているの、あなたのような人には関係の無いことよ。

クイーン
 家に帰りなさい。ヒューゴが外で怯えているという時にこれ以上時間を無駄にしていられない。

クイーン
 あの子に会いたいわ。あの子を見つけて誕生日をお祝いしないと! 一人っきりで外に居るなんてあの子には無理よ!

クイーン
 招待客でないあなたは帰りなさい! 帰らないなら私の従僕に連れて行かせるわ。

エイブラム
 亡霊に、ということか?

クイーン
 ええ。

エイブラム
 ……分かった。実によく分かった……

ザフキエル
 エイブラム、早く帰れ。女王陛下のお言葉に大した意味は無い。我々はあの子を探しているだけだ。

エイブラム
 私の家はここだ、ザフキエル!
 そしてそれを壊したのはお前だ!!!


ザフキエル
 エイブラムは我を忘れ、その場にいた全員に襲い掛かった。その後、彼の怒りは世界中を穢していった。

ザフキエル
 内にまだあの化け物を飼っていると知っていたら、とうの昔にあの哀れな人生を終わらせていたのに。だがまあ、今更な話だ。


現在

 彼女の最初の言葉はこうだった。

クイーン
 長い月日が経った。あの子を失った世界はただ暗くなっていくばかり。

クイーン
 従者はもう一人の自分が犯した過ちを正そうとした。でも何も変わっていない。

クイーン
 彼が利用していた道具は、ここで壊れているものを直すことはできなかった。さらに深く穢すだけ。


 彼女の言葉を聞き、彼はこう切り返した。

バッター
 変革の時は来た。私はそのために父の揺り籠へ戻ってきた。


 言葉の合間に潜む緊張が表面化するのを感じ、彼女は頭を振って応えた。

クイーン
 あなたを導いていたのはその従者。私とあなたが居ない間、父を見守っていた者。

クイーン
 彼はガーディアンとなり、あの子が死を迎えるその時までその心を慰める役目を負っていた。病死にしろ、あなたの手で殺されるにしろ……

クイーン?
 この様を見なさい。彼は救う気などないものを救うと言って、私たちに悪事を為した。


 その真実に動揺することもなく、彼は一歩進み出て、彼女に言い放った。

バッター
 この世界は再び浄化される。お前がその手始めだ。


【Vader Eloha, Crown of the Flies戦】


【戦闘終了後】

 戦いは再び終わりを迎えた。彼女は安堵の吐息を漏らし、こう言った。

クイーン?
 この世界の重圧がようやく私の肩から降りる。これであの子の元へ行ける。

クイーン?
 でも従者が、これによって望んでいたものを得てしまう。

クイーン?
 彼は……あの子の目を奪った……


 彼女の言葉は無の世界に溶け、
 彼は空へと目を向けた。

バッター
 は間もなくここへ現れ、皆を元に戻す。