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OFF派生のまとめとか洋ゲーの和訳とか

HOME ver1.0.4 コートルーム 第3章:証人(Chapter3: The Witness)

故Felix The Judge氏制作のOFF派生作品「HOME (ver1.0.4)」の邦訳記事です。
ゲームのダウンロードはWindowsこちらMacこちらから。
※性別は男性を選択、プレイヤーの名前は「プレイヤー」に置き換えています。
※メインストーリーのみの翻訳です。実際にプレイしている際の補助として使うことを想定して作っています。メインストーリー以外の要素(NPCの会話、謎解きなど)は是非プレイして確かめてください。
※OFF非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。意訳・超訳・誤訳あり。
(前→コートルーム 第2章:陪審員
(次→コートルーム 第4章:裁判&第5章:判決

 

 

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ジャッジ
 ザッカリー? 一体どこにいたのだ?
 この奇怪な場所は論理の枠に収まることを拒絶しておるようだな。

ザッカリー
 ああ、全く同感だ。

ザッカリー
 本物と偽物ってもんの意味が俺にはもう分からなくなっちまった。

ザッカリー
 最近の旅で起きる予想外の展開には全く度肝を抜かれるね。

ザッカリー
 とにかくジャッジ、お前さんの質問に答えるとだ。俺はずっとこの部屋に居たぜ。どちらかと言やあ結構長い時間な。

ザッカリー
 ここは色がある唯一の場所らしい。俺にも分からん謎だ。

ザッカリー
 しかし、今度は俺から質問させてもらうぜ。あの図書館で一体何があった?

ザッカリー
 あそこで起きた何かが俺たちの世界をまっさらにしちまった。

ジャッジ
 我輩と同じ種族の者と口論になったのだ。その結末は我輩の予期せぬものとなった。

ザッカリー
 図書館の上に猫が居たのか?
 いやいやいや、あのゾーンのガーディアンは猫なんかじゃなかった。本当に他に誰もいなかったのか?

ジャッジ
 いかにも、我が友。
 ザッカリー……
 お前はゾーン4について何を知っている?

ザッカリー
 他のゾーンと変わらんよ、俺が知ってるのはガーディアンのことだけで、肉のガーディアンは人間だ。

ザッカリー
 ガーディアンが自分の国を見捨てたんならだ。
 その国が、お前さんが目撃したような絶望に飲み込まれていたのも不思議じゃない。

ジャッジ
 もう一つ聞きたいことがある……
 お前はどうやってここへ?

ザッカリー
 お前さんが店を出てしばらく経った頃、俺は揺れを感じた……

ザッカリー
 急いで窓の外を見るとあの塔が眩しい光を放っていて、その少し後に塔が爆発した。

ザッカリー
 被害は甚大だった。俺はすぐに地面に這いつくばって安全な隠れ場所を探した。

ザッカリー
 俺は無の世界へ出ようとして、気づいたらここに居たんだ。

ザッカリー
 いつもならここで茶目っ気溢れるジョークを挟むとこだが、今は笑ってる場合じゃないな、パブロ。

ザッカリー
 肉のガーディアンが失踪しているなら、お前さんはそいつを探さなきゃならん。

ザッカリー
 俺の商品を見せてやるよ、友よ。お前さんの苦労の結晶を使うチャンスはもう無いかもしれないぜ。


ザッカリー
 “Carpe diem, quam minimum credula postero……”
 (明日を頼むことなく、その日の花を摘め)


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  その前に……

  あなたは彼女の企みを暴かなければならない。

  あなたは真実を知らなければならない……

 

  「助けて!」
  「ママ!」
  「パパ?!」
  「誰かいないの?」


エド
 ここは……
 ここはどこ?
 わたしは誰なの?


  「誰か……誰か助けて……」


エド
 わたしが……
 わたしが助ける……

エド
 わたしが助けなきゃ……
 困っている人はみんな……


エド
 何?
 何が起きてるの?
 どうして邪魔をするのよ。

エド
 助けを待ってる人がいるってことが分からないの?


エド
 あなたたちが何者だろうと……
 そこをどきなさい!

 

エド
 はぁっ……
 力が溢れてくる……
 わたしなら困っている人たちを救える。
 みんなわたしを求めている。


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ヒューゴ
 きみはぼくを助けてくれたね……思った通りだ。

ヒューゴ
 きみが来るのを待ってたよ。

エド
 怪我はない?

ヒューゴ
 うん……全然……
 ぼくはもう大丈夫だよ、きみが来てくれたから。

ヒューゴ
 ほら……きみにプレゼントがあるんだ。

ヒューゴ
 これがあれば大きく、強くなれるよ、ママみたいに。

エド
 わたしは……わたしは、全力であなたを守るわ……

ヒューゴ
 分かってる!
 さ、家へ連れていってあげるよ。

 

ヒューゴ
 ママは家に居ない……パパも。
 パパはいずれにしろ居ないんだけど……

エド
 ……。

ヒューゴ
 パパは物事を良くする方法を探すことになったんだ、全部解決する方法を見つけてくるって言ってた。

ヒューゴ
 そしてパパは出て行った……

ヒューゴ
 ママは居るけど、忙しくてぼくに構っていられない。きみならぼくの新しい友達になれる。そうだよね?

エド
 も、もちろん……わたしはあなたを守るために作られたような気がしてるから。

ヒューゴ
 いつかきみは大きく、強くなるよ。もう一匹の猫さんと同じように。きみはまだ彼に会ったことはないけど、きっと仲良くなれると思うな。

ヒューゴ
 ぼくたちはガーディアンなんだ、少なくともぼくの方はそうなる予定。来週、大きなパーティを開いてみんなが来ることになってる。

ヒューゴ
 ママは頑張って都合をつけるねって言ってたけど、ぼくはそうは思わない。

ヒューゴ 
 ぼくはガーディアンになんかなりたくない……パパに帰って来て欲しい、また元気になりたい。

ヒューゴ
 ぼく、家出しようと思ってるんだ……ママはそばに居ないから、ぼくが出てったことに気づくまで数日はかかるはず……

エド
 な……何を言ってるの?

ヒューゴ
 きみも一緒に来るといいよ! ぼくの知ってる図書館があるんだ。ワクワクする絵が載ってる本がたくさんあるんだよ。

ヒューゴ
 ガーディアンになったら漫画を読む時間が無くなっちゃう。
 だいぶ前にパパが一冊くれたけど、ぼくは新しいのが読みたい。

ヒューゴ
 さ、そろそろ行かなきゃ……ドキドキするな、新しい場所を見て、新しい友だちを作るんだ。きみもきっと自分の友だちがいっぱいできるよ。

 

 その日、ぼくは家を飛び出した。作り上げられていく世界を実際に目にすることができたのはその時だった。ぼくはそれを自分の目で見たいと思っていた。

 ぼくの友だちの話では、前の世界は穢れていたけど、彼らが作る新しい世界はそんな穢れの無いものになるということだった。

 その時は、ぼくも彼らを信じていた……

 ぼくのゾーンは酷い有り様だった……ぼくも、彼女も……
 ぼくたちは離れ離れになった。
 彼女は図書館の屋上に閉じ込められた……

 彼女は、自分がガーディアンになればぼくがならなくてもよくなると思っていた。彼女は仕組みが分かっていなかったんだ……

 ぼくは自分の部屋にこもり、状況を立て直す方法を考えていた。
 その時にきみが現れたんだ、プレイヤー。

 ぼくは帰れないことを悟った、
 きみが来るまでぼくは部屋に隠れ続けなければならなくなった。

 ぼくの友だちは居なかった。みんな新しい世界を導くのに手一杯だった。ぼくと一緒に居る時間は無かった。

 きっとママは怒ったんだ……ママは世界中に亡霊を送り込み始めた。ぼくが居なくなったことについて、ママはみんなを責めた。

 みんなをだ……ママ自身を除いて。


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ジャッジ
 プレイヤー? まだそこにいるかね?
 一瞬、そなたの導きの手が我輩から離れたように感じたぞ。

ジャッジ
 そなたがやっていたことが何であれ、それは重要なものだったのであろう。我々は先に進まねば。

ジャッジ
 他にどんなトリックがこの場所に仕掛けられておるのか、見てみようぞ……


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ジャッジ
 お前……生きておったのか?

エド
 ごめんなさい……これはわたしのせい。

エド
 わたしはあの子がやれなかったことをやろうとした……
 わたしはあまりに怯えていた……

エド
 分かってるわ、わたしは作られた存在……創造主を守るために作られた存在だった。わたしは失敗した。どうしようもなく惨めに失敗した……

エド
 あなたが妬ましいわ、ジャッジ。
 結局、あの子が求めていたのはわたしじゃなかった……
 あの子が本当に求めていたのは、あなた。

エド
 あなたは覚えていない……覚えていることはできない。

エド
 プレイヤーは覚えているわ……
 あの最後の戦い……
 あなたには何も残されていなかったのに、それでもあの死神を退けた。

エド
 世界をいともあっさりと破壊したあの悪魔をあなたは倒した。

エド
 わたしたちの父は……
 あの子はこの世界の全てであり、あなたがこの世界に続く窓を閉めたその時まで、あの子は全てを見ていた。

エド
 あなたの勝利を見ていた。

ジャッジ
 お前は一体誰のことを話しているのだ? お前が何度も言及する「あの子」とやらに我輩は困惑しておる。

エド
 わたしたちの父のことよ……
 ヒューゴ。わたしたちの世界の光であり、命そのもの。あの子が存在するから世界は存在する。

エド
 でも、この場所は……
 この法廷はあの子が作ったものではない。ここはあなたが作った場所よ、ジャッジ。

エド
 ジャッジ、あなたはこの場所に辿り着くことで善行を為した。ガーディアンたちのどす黒い業を消し去った。

エド
 その手で彼らの魂に赦しを与えたことで、不死鳥が生命の炎から舞い上がるように、彼らは生まれ変わった。

エド
 あなたの尽力によってこの地は存在している。
 あなたは全てをこの法廷に連れてきた、彼らが最後の審判を受けられるように。

エド
 有罪だろうと無罪だろうと、わたしたちみんなの運命はあなたの手中にある。

エド
 プレイヤー……あなたも自分の役割をよく果たしているわね。

エド
 あなたはかつての人形に繋がっていた人殺しの糸を解き、目の前に居るこの人形に繋いだ。

エド
 運命の決したあの世界はもう救うことはできない。あなたの行動によってその光は失われてしまった。

エド
 でも、わたしたちの世界はいまここにある。
 別だけど、同じもの。そこが重要。

エド
 あなたがわたしたちの世界を救いたいのなら、真実を語らなくてはならない。

エド
 さあ……
 あなたが自分のゾーンを旅立ってから5日が経ったわ、ジャッジ。

エド
 わたしたちの最後の日もいよいよ終わる……世界に光がもたらされるか、それとも闇に閉ざされるか。

エド
 あなたはもう行かなければならない……ガーディアンたちがあなたを待っている……
 あなたの最後の判決を待っているわ……
 ジャッジ。

ジャッジ
 ……。

ジャッジ
 今日はなんと不吉な話ばかり聞かされることか……我々の旅は最終段階に来ておるようだ。

ジャッジ
 プレイヤー……我々のこの旅を勝利の下に終えようぞ! 我輩の命ある限り、苦々しい敗北を味わうようなことはすまい。