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OFF派生のまとめとか洋ゲーの和訳とか

Sincere Deceit おまけその2(続):アウトサイド隠しエリア・深淵の記憶

JimJam氏制作のOFF派生作品「Sincere Deceit」の邦訳記事です。
ゲームのダウンロードはこちらから。
※プレイヤーの名前は「プレイヤー」に置き換えています。
※メインストーリーのみの翻訳です。実際にプレイしている際の補助として使うことを想定して作っています。メインストーリー以外の要素(NPCの会話、謎解きなど)は是非プレイして確かめてください。
※OFF非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。意訳・超訳・誤訳あり。
(前→おまけその2:アウトサイド関連イベント
(次→おまけその3:書籍・メモ

 

 

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●全ボス1回撃破後のボーナスその1:隠しエリア(深淵の記憶)
☆アウトサイド・塔
奥の廊下・隠し扉の先の黒い光

 君に感謝する。


 あのような、堕落して見捨てられた我々の魂を解放してくれるとは……


 誰にでもできることではない。


 君は本当に気に掛けてくれていたんだな、心の奥底から……


 誰もが喜ぶ礼とは言えないが、もし君が我々にもう少し近づきたいと望むなら……


 君が堕ちてくることを許そう。


 ただ、覚えておいてくれ……


 君の使命の完遂に役立つものは、ここには無い。


 この場所は無益だ。我々と同じように。

※穴を調べる

 底の見えない穴がある。


 飛び込む? 【→Yes】


 もう戻ってこられないかもしれない。 【→Do it】


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●深淵の記憶(Deepest Memories)
(訳注:本マップには市街(The City)と同様、教会・居住エリア・娯楽エリア・工業エリア・牢獄エリアに相当するマップが存在する。4エリアそれぞれで「???」を取得した後、教会北部の中庭(Court Yard)に入ると全制覇となる。各エリアの入り方も、エリア内の進み方および「???」の見つけ方も一癖ありながらヒントが皆無な難所だが、最後まで到達しても特別なエンディング等は特に無い。)
☆黄泉(Sheol)
教会前の人影

 ああ、堕ちて来たか。


 そうせずにはおれなかったんだろう、プレイヤー?


 あははは……


 まあ、好きなだけ見て回るといい。


 ここには何もない……


 ……過ぎ去った過去を嘲笑うものの他には。


 ははは……君が悶え苦しむ様を眺めるのは愉快だろうな。

※もう一度話しかける

 うん……?


 アドバイスが欲しい?


 一つくらいならヒントをあげてもいい……

【→What to do.(何をすべきか)】

 ああ、実にシンプルだよ!


 何もしなくていい。


 君がハッピーエンドを求めているのなら、ここでそれに出会うことは決して無い。

【→What not to do.(何をすべきでないか)】

 あはは……そうだな……


 君が賢い人間なら、踏み超えるべきでないものは踏み込まずにおくだろう。


 この場所は崩れかけている! 君の現実まで壊してしまう何かがあってもおかしくない。


 あはは……

※もう一度話しかける

 さあ行け、プレイヤー。


 地獄が待っているよ。


 あはは……


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☆黄泉中央・教会
赤い目

 あの哀れな愚か者は、全てが失われた後もなお偽りの神にすがり続けている。


 おれもとやかく言える身ではない。


 おれもまだ希望を抱いているのだからな……


 もっとも、信じてくれる者がいなければそれも無意味なこと。


 おれのことを信じていなかったとしても、おれの説法を聞いてくれる男がいたのは幸運だった……


 おれはせめて、その優しさを伝えよう。

※もう一度話しかける

 あのお方が、について語っていたことによれば……


 奴は冷徹な男だったようだ。


 そして気性の荒い男でもあった……二人はお互いに激しく憎み合っていた。


 だが、はお前には語るまい……かつて二人は共に穏やかに暮らしていたことを。

もう一度話しかける

 何があのような激しい軋轢を生んだのか、ついに教えてはもらえなかった……


 だが、それが何であれ……
 大罪であったことは明らかだ。

※もう一度話しかける

 世界が終わる時……
 二人は許し合えるだろうか?


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☆教会内北部・湖
北の壁を調べた先
修道女
 ああ……バッター様。

修道女
 あなたとは、あまりお話ししたことはありませんでしたね……?

デリラ?
 ……

修道女
 お気の毒です、お嬢様のこんなお姿を見ることになるとは。

修道女
 お嬢様は私を守ってくださっているのです。お嬢様の光は私の中で輝き、穢れを清めてくれている。

修道女
 ですが……デリラ様は……

デリラ?
 ……

デリラ?
 私は、失敗した……

※もう一度話しかける
修道女
 あの方はもうずいぶん前に私たちを置いて行ってしまわれました。ですが、あの方の光の抗いがたいほどの心地良さは覚えています。

修道女
 遥か彼方まで広がる寝具が、ずっと自分を眠りに誘っているような感覚でした。

修道女
 しかし、これは……この光は違う。

修道女
 何だか……離れたくないと思っている人に抱き締められているかのよう。

修道女
 デリラ様……

修道女
 私は誓って、貴女のお傍を離れません。

※もう一度話しかける
修道女
 お嬢様は、お父上のことがあまりお好きではありませんでした……

修道女
 今思えば、お嬢様に自由が無いことをもっとはっきり自覚しているべきでした。

修道女
 もっと早くに理解できていれば……
 お嬢様をお助けして、自由にしてさしあげられたかもしれない。

修道女
 主は認めてくださらなかったでしょうが……

修道女
 正直に言えば……もし主と、デリラ様のどちらかを選ばなければならないとしたら……

修道女
 ……

修道女
 私は、お嬢様を選びます。

※もう一度話しかける
修道女
 別の人生で、またお嬢様のお傍にいられたらと願う自分もいます……

修道女
 でも、もし転生が叶っても……来世というものが本当にあったとしても……

修道女
 ……それは、今とは違うものです。

修道女
 このデリラ様は何者にも代えられません。代えるべきでもありません。

修道女
 私の目の前にいるこの御方以外は……おぞましい紛い物に過ぎません。

修道女
 誰かがお嬢様を装うなんて……
 考えるだに、想像もできないほど苦しい。

修道女
 紛い物は……本物の代わりには決してなれないのです。

※もう一度話しかける
修道女
 あ、あら……まだいらっしゃったのですか?

修道女
 あなたはいつもお忙しそうですから、てっきりご自身の使命を果たしに行かれたのかと。

修道女
 ああ、でも……あなたはもう使命を果たすことはできないかもしれませんね。

修道女
 こんな事態になってしまって残念です。お嬢様はあなたには自由になって欲しいと思っておられたでしょうから。それは間違いありません。

※もう一度話しかける
修道女
 厚かましくて申し訳ありませんが……
 私は一人になりたいのです。

修道女
 ああ……いえ。違います。私は……もう誰とも話したくないのです。

修道女
 あなたがここに居たいなら、構いません……
 私は黙っております。

修道女
 話を聞いてくださってありがとうございました。あなたは本当に優しくて、我慢強い方なのですね。


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☆湖の北西にあるコンピューター(Null&Void)
開始後、スイッチ部屋を引き返す

 彼らが来た。

**
 来たな。


 幼子よ、お前はどこに行き着いたのだと思う?

**
 覗き込むべきでない場所に、秘密を求めて来たに違いない。


 ああ。その通り。

**
 全くその通り。


 先に進ませてやるべきだろうか?

**
 もちろん。彼らは他の者たちとも話すべきだ。


 素晴らしい考えだ! 震える舌が紡ぐ言葉の数々は、彼らの目的を語ってくれるかもしれない。

**
 秘密は彼らの目と口と引き換えだ。


 ああ、それがフェアだ。

**
 先へ進み、選べ。


 五感を捧げ、歪んだ真実に耳を傾けろ。


1の部屋(※ゾーン0、およびジャッジ生存時の白編エンディングへの影響に関する話)
ジャッジ?
 お前にご足労いただけるとは。実に情け深いことよ。この喜びを誰に示すべきであろう?

ジャッジ?
 答えずともよい。お前の望みは知っておる、だが我輩の骨折りには対価が必要だ。

ジャッジ?
 目、口……必要ならば手足。己の飢えを満たすため、お前はいかほど犠牲にできる?


 何かを捧げる? 【→Yes】

ジャッジ?
 対価は払われた。お前がそうまでして望む知恵、少しだけ与えてやろう。


 穢れが到来するまで、ゾーン0は長きに渡って放置されていた。「神」はゾーン0を支配しようとは考えていなかった。そのゾーンはプラスチックの海に漂う孤島に過ぎなかったからだ。


 そこから絞り出せる力は僅かなもの。きっと徒労に終わる。だから彼は、最終的にお前が強引に引き渡してくるまで、そのゾーンを求めなかった。


 いずれにせよ、ゾーン0のことを気にかけていた者は誰もおらず、ゾーン0は暫くして病に冒されていった。老猫は正気と生きる意味を失い、爛れていった。


 お前のおかげで彼は正気を取り戻したが、彼にできることは、予めプログラムされていた苦き結末への道を再び突き進もうとすることだけだった。


 お前は彼を救ったか? 殺したか? そんなことは問題ではない。いずれにしても彼の生は終わりを迎えるのだから。物質的な意味でも、比喩的な意味でも。


 ただし、彼が生存しているかどうかは発生するイベントの数を左右する。彼は白き道に二度現れる。生存している場合に一度、かつ全ての「アイテム」を持っている場合に一度。


 どちらも、人が自らの選択を後からあれこれと考える場面を見ることになる。恐らく少しの間だけなら、世界はそのような状態でも続いていけるのだろう。


 話は終わりだ。


2の部屋(※ゾーン1とマラキ・ジェイドンに関する話)
デーダン?
 今さら俺と話をしようって? 何が望みだ?

デーダン?
 膨れ上がった死体にてめえの腹がデカくなるまで噛り付くウジ虫野郎め。胸糞悪い。

デーダン?
 本当のことが知りてえのか? 腹を満たすために自分の身体を差し出す気はあるか?


 何かを捧げる? 【→Yes】

デーダン?
 そんなにあっさり自分の身体を差し出してちゃもたねえぞ。だがこの対価は喜んで受け取らせてもらう。じゃ、よく聞けよ。


 穢れは時とともに世界を少しずつ蝕んでいき、お前が旅を始めた時に見た姿へと変えていった。


 デーダンはその予兆を察することができなかった。あるいは、単に起きていることから目を背けていただけかもしれない。自らを取り巻く状況が一変していく中でさえ、彼が気に掛けていたのは自分のゾーンの仕事を回し続けていくことだけだった。


 マラキの魂もかつてゾーン1に居たことを知っていただろうか? 彼とジェイドンは前世ではエルセンだった。一瞬現れる影がそれを物語っている。


 ただし、二人の魂はもっと長い時を生きている。世界が今のような姿になり、そして「神の子」の作ったこの物語に落ちてくる前の出来事も、二人は少しだけ記憶している。


 もしくは「前の世界」など存在しなかった可能性もある。何もかも、お前が読んでいるこの文章を書き綴っている者の気まぐれに過ぎない。全てはお前を満足させるための嘘かもしれない。


 病んで死に瀕した世界の話を書き綴る病んだ頭の無駄話の中から、何を信じるかはお前次第。いつだって最後にはお前の選択に関わる話になるのだ。


 話は終わりだ。


3の部屋(※ゾーン2とジェイドンに関する話)
ヤフェト?
 おや……死者を嘲りに来たのですか?
 そこまで残酷な人間だったのですか?
 そこまでわたくしのことが憎いのですか?

ヤフェト?
 ……ああ、知識を求めているのですね?
 秘密を? 偽りの安心感を?

ヤフェト?
 ええ ええ。差し上げましょう……
 お前が無慈悲に打ち壊したこの身体を元に戻してくれるものを、お前が差し出してくれるのなら。


 何かを捧げる? 【→Yes】

ヤフェト?
 これでいい。
 これで。

ヤフェト?
 では、よくお聞きなさい。


 穢れは猫の中に潜んでいた鳥にも浸潤し、二人を内側から衰えさせていった。力を失ったヤフェトは、以前のように猫の体内から抜け出すことができなくなった。


 お前が彼の許に到着した時、彼はついに絶望し、自らの宿主を孵卵器に変えた。宿主の身体は餌の詰まった巣と化した。それは彼に戦う力を与えた。


 だが狂気へ渦を描いて堕ちる者の声はあまりにも大きく、彼は自らの行いを嘆いてはいたものの、苦しみと怒りがその嘆きに勝ってしまった。


 それは負のエネルギーを増大させ、全てを腐らせ、あらゆるものから光を奪った。痛みから生まれ、痛みを生み続ける悪循環。そして歴史は繰り返す。


 ジェイドンも、ゾーン2でのヤフェトと同じように寄生者に苦しめられた。お前はこの相似に気付いただろうか? ガーディアンたちは、対になるガーディアンを倣っていることに。


 生前のジェイドンはゾーン2を愛していたが、それは大昔の出来事による。彼はいつも大人しく、図書館のフロントにいた。彼は遊園地が好きで、だから自分自身の遊園地を作ろうと躍起になっていたのだ。


 悲しいかな彼は狂気に陥り、眼下の固い地面へと永久に螺旋降下を続ける鳥の末路をなぞることになった。二人は血飛沫と化した。


 話は終わりだ。


4の部屋(※アルベラとガイウスに関する話)
イーノック
 おやおや。
 玉座の間に小さきものが現れた。

イーノック
 答えを求めて来たんだろう?
 君の画面に映し出される無益な言葉の数々は、我々には無意味でも、君には何かしらの意味を持つものらしい。

イーノック
 実際そうなのかね? なら、君は対価として肉を差し出さなければならない。そうすれば卑しい愚か者にとっては最高の砂糖の山が与えられるだろう。


 何かを捧げる? 【→Yes】

イーノック
 良い取引だった。肉と引き換えに知識を得る、自然の摂理だ。ではよく聞きたまえ。


 我々は昔からその街のことを知っていた。過去には貿易関係すらあった。新しいゾーンがあのような形で現れるというのも奇妙な話ではあったが、同時に自然なことにも感じられた。


 我々は物資を取引し、知識も自由に分け与えた。あの街が発展したのは我々がそれを認めたからだ。それによって我々はみんな富を得ることができた。全てが崩壊したあの運命の日までは。


 あの工場のガーディアン……お前はゾーン3で彼の影を見なかっただろう? 他の2人と違って、彼の影は到達不能な場所にいるに違いない。


 彼は科学者だったのだろうか? 炉に死体を投げ入れていた者だったのだろうか? あるいは、君があの日線路の上で目撃した、「助けて」と叫ぶ者だったのだろうか?


 真実など誰が知ろう? 新しい生で彼は名誉挽回のために全力を尽くした。だが状況が悪化するにつれ逆行し、堕落した。ある意味では、彼も自分の心という寄生者に蝕まれていた。


 ただ、彼は多くの命を生み出し、時にそれは他者を凌いだ。全員ではないが、お前はその大半に出会っている。
 かの蛇。かの娘。
 かの喋るグールたち……


 創造主も知らないもっと多くのことを成し遂げていた可能性もある。


 話は終わりだ。


5の部屋(※アルベラガーディアンの力とアダムに関する話)
シュクレ?
 だれ? そこにいるのはだれ???
 お友だち? 悪い人? 踊ってくれる人? 這いずり回ってる人???
 何が欲しいの?

シュクレ?
 知識? あたしから、お話を? わあ、変わってるね! ぐちゃぐちゃになっちゃった頭にまともなお話をさせようとするなんて!

シュクレ?
 でもいいよ! 聞きたがりのお耳に聞かせてあげられるお話があるんだ! 何かを代わりにくれるなら、あなたの欲しいものをあげる。

シュクレ?
 ひょっとしたら、好きじゃない話かもしれないけど。


 何かを捧げる? 【→Yes】

シュクレ?
 これこれ! このお部屋にあるアヒルさんの独楽みたいに完璧! 百点満点。これならお話をしてあげなくちゃ。じゃあ、アヒルさんに気付かれちゃう前によく聞いて!


 生命とはかくも脆い。そうだろう? この世界では生命は数多の素材から生み出されるが、ひとつ素材を間違えれば全てが駄目になってしまう!


 最初の子を創った時に使った砂糖のせいだったのか、それともゾーン0から奪ったあの品のせいだったのか? 恐らく並の人間では弱すぎて、神のための力は振るえなかったのだろう!


 時とともに彼らの皮膚は焼け焦げ、くすんでいった。彼らにさらなるエネルギーを与えるために使った力が、その身体にダメージを与えたのだ! 彼らは「太陽」を使うこともできたが、そうしなかった。


 「太陽」では足りなかった。短期間に女王率いる亡霊の大軍に襲撃されて大勢が命を落としている状況では不足だった!


 もし彼らがこの戦争に勝利していたら、彼らは普通の身体に戻れたのだろうか? 否! 全身を黒く染め、頭を爆発させていただろう。この世界の住人がストレスを受けた時と同じように!


 黄色い目の子どもはそれを知っていて、さらに力を得るために逃げ出した。彼は弱かったが、用心しつつ待っていれば、遺されたものを横取りできると考えていた。


 だがお前がやって来たことで彼は自暴自棄になった。絶望が彼を愚かにした。彼は傲慢にも勝てると思い込んだが、それが誤りであることをお前が示してみせた。悲しいかな、愛されなかった子どもは死んでしまった!


 彼は生まれてくるべきではなかったのだ。


 話は終わりだ。


6の部屋(※ザフキエルに関する話)
クイーン?
 来たのね。あなたは自分にふさわしくない場所へ堕ちてきた。どうやってこの場所を見つけたの? ……きっと、それももうどうでもいいこと。

クイーン?
 あなたはここにいる。あなたは私が持っている秘密を知りたがっている。ええ、これは間違いなくあなたが求めているもの。違う?

クイーン?
 その通りなら、私に「それ」を頂戴。そうすればあなたが求めているものをあげる。


 何かを捧げる? 【→Yes】

クイーン?
 面白いわ……ならお望みのものをあげましょう。何て強欲な人。この世界では、知識は人の五体満足を脅かしうるものなのね。

クイーン?
 では、お聞きなさい……


 「神」はこの世界を自分ひとりのものにしたいと考えていた。一方で彼の胸の内にはひとかけらの愛があり、それは女王に対するものだった。


 だが、彼はそれを女王に伝えることができなかった。彼自身、その感情を理解していなかったからだ。我々の多くが日々当たり前のように感じているその明るい感情を、彼は一切理解することができなかった。


 それは彼が生まれつき与えられていた欠点だった。彼がいつも冷淡だったのは、ひとえに彼のせいというわけでもなかったのかもしれない。もちろんそんな悲しい事情があったとて、彼の行いは許されるものではないのだが。


 女王が生きていたことを知るや、彼は女王が隠れていた場所へと飛んで行き、可能な限り長い時を共に過ごした。だが、その優しさも長くは続かなかった。


 邪な考えが頭に浮かび、やがて彼は小細工を弄するようになった。女王は子どもに会いたがっていて、彼はそれを利用した。彼は女王に嘘を吐き、女王の怒りは嵐の如くに渦巻いた。


 過去の行いが繰り返され、世界は死者の霊の襲撃を受けるようになった。彼は市街だけを狙うつもりでいたものの、彼は見誤った。


 こうして彼の高慢と嫉妬は終焉の始まりを呼び寄せてしまい、その失敗を正すのを手伝わせるために、彼はすがる思いでお前を呼んだ。小さな子どものように、自分よりも大きな者へ助けを求めて泣き叫んだ。


 そして、お前が応えた。


 話は終わりだ。


7の部屋

 全員と話したか。つまり、お前は最後の秘密を知りたがっているということだ。そうだろう?


 お前にできることは
 ただ
 全てを捧げること
 のみ。


 全てを捧げる? 【→Yes】


 お前は自分が捧げうるものを全て失った。知識への欲求がお前を破滅へと追いやった。


 お前が知るべき最後の事柄はこうだ……


 ずっと糸を操っていたのは私だ。最初から私だった。肉の中の目と口がそう示している。この私だ。


 さらばだ。ここで静かに最期の時を楽しむがいい。 (終)


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☆黄泉北部・娯楽エリア
(訳注:娯楽エリアの中央の建物には、左か右にある看板の脇から入ることができる。中央の建物の2階で、穴に落ちないように奥へ行くと下記の舞台を見ることができる。)
舞台

 ここからそう遠くない小さな田舎町に、一人の子どもがいました。


 彼にはたくさんの友だちがいました。


 彼らはみんな食いしん坊でした。


 その手が次々と子どもを掴みました。


 子どもの身体はバラバラに引き裂かれました。


 子どもの柔らかな肉が露わになりました。


 友だちは歯を剥き出してそれを喰い尽くしました。


 子どもの叫び声は聞き届けられることなく、無視されました。


 動かなくなった骨に対し、友だちは動けと言いました。


 喰らった肉を吐き出し、繋ぎ合わせて、子どもを元に戻しました。


 「死なせて……」友だちの唾液にまみれ、子どもはゴボゴボと喉を鳴らしました。


 「けど君は友だちだ! 君を死なせるわけにはいかない!」友だちは嘘を吐きました。彼らの飢えが再び強くなりました。もう一口齧ったって、きっと問題はない……


 ……そうだろう、プレイヤー?


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☆教会内北部・湖、中庭(Court Yard)
(訳注:居住エリア、娯楽エリア、工業エリア、牢獄の4エリアでそれぞれ「???」を見つけると、教会内北部のマップが変化し、中庭に行ける。)
最後の部屋

 人生は無慈悲だ。そう思わないか?


 自分が本当に情熱を注げるものを見つけた途端、何かがそれを奪い去っていく……


 そして新しいことを始めるきっかけを得た頃、それが戻ってきて自分を引き留めてくる……


 時と共に、それは苦しい思いを胸に抱かせる。


 私はそうだった。


 だがその苦しさも、他のものを喰らい尽くした後には飢えた。


 今や私は空っぽだ。空っぽで、疲れた。


 上の世界は息絶える……お前は遅すぎたのだろう、浄化者よ。


 だがお前がここにいるということは、恐らくお前は以前あの世界を救ったことがある。


 まあ……少なくとも、プレイヤーは。


 こんな奥深くまでたどり着いたことは褒めてやらなければならない。誰もが無意味な手詰まりの秘密のためにここまで来られるものではない。


 お前は本当に気になっていたに違いない、心の奥底から……


 ……どうだった?


 楽しかったか? みんな正しい決断をしたと思うか?


 お前は正しい決断をしたのか?


 実を言うと……世界が終わってくれて私は嬉しい。


 このような最後を迎えるのは避けられないことだった。だが、これでみんな安らかに眠れる。


 私たちはみんな、自由だ……


 だからこそ私はこの場所を作ったのだろう……


 私の中には抑えがたいものがあった。
 私の中から出してやるべきものがあった。
 外へ表現するために。


 創造に対する無邪気な興味……
 それはきっと珍しい感情ではない。


 だが、それは私のものだった。


 どうやら、喋りすぎたようだ。


 あるいは……まだ足りないかもしれない。


 分からない。


 だが、残念ながらこれ以上お前にここにいてもらうわけにはいかない。


 本当のことを言えば……お前の姿を見ると、吐き気がする


 お前個人に問題があるという風には思わないで欲しい。ただそういうものなんだ。


 ああ……来たぞ……


 ……


 さようなら…… (終)