四の五の

OFF派生のまとめとか洋ゲーの和訳とか

Sincere Deceit 【赤編】塔(第3階層)

JimJam氏制作のOFF派生作品「Sincere Deceit」の邦訳記事です。
ゲームのダウンロードはこちらから。
※プレイヤーの名前は「プレイヤー」に置き換えています。
※メインストーリーのみの翻訳です。実際にプレイしている際の補助として使うことを想定して作っています。メインストーリー以外の要素(NPCの会話、謎解きなど)は是非プレイして確かめてください。
※OFF非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。意訳・超訳・誤訳あり。
(前→【赤編】塔(第2階層)
(次→【赤編】塔(第4階層)

 


***************************


☆第3階層:過去(Layer3: The Past)

中央・家の前

 私の友人たちを見なかったか?
 そろそろ始める予定なんだが、皆がまだ戻らなくてな。


 私の代わりに探してきてくれないか? 良かったら、ここへ連れてきて欲しいんだ。


***************************


☆4人にSupremeアイテムを渡して進める場合
南部・崖
マラキ?
 星を見に来たのか? 久々だな、一緒にこういうことやれるのも。

マラキ?
 この星、どこから来たのかな。オレたちが来る前からあったのかな? それともこの世界が生まれる前から?

マラキ?
 どうでもいいことかもしれないけど……
 それでも、星を眺めるのは楽しいよ。

マラキ?
 え? あいつが家に帰れって?

マラキ?
 ダメだ。落とし物しててさ、帰る前にそいつを見つけないといけないんだ。

マラキ?
 え、持ってる? 見せてくれないか? 【→Give it to him(渡す)】

マラキ?
 ああ、これだ……

マラキ?
 もう戻らなきゃ。人生で一番大事なものを思い出させてくれてありがとな。

マラキ?
 これ以上、見て見ぬふりしてるわけにはいかない。
 あいつのところに帰ろう。


北部・洞窟
ジェイドン?
 あっち行け! 僕は誰とも話したくない。僕にはもう誰かと話す価値なんて無いんだ。独りにしてくれ!

ジェイドン?
 あ……待って! 君の持ってるそれ! そ、それは僕のだ! 返して! 【→Give it to him(渡す)】

ジェイドン?
 ああ、あった……

ジェイドン?
 これを返してくれるなんて、君は優しいんだね。おかげで安心して家に帰れるよ!

ジェイドン?
 ただ……状況が良くなってくれてるといいんだけどな。希望的観測ってやつだろうけど。

ジェイドン?
 とにかく、本当にありがとう。
 良かったら、他のみんなのことも手伝ってあげてよ! じゃあね!


西部・浜辺
アダム?
 あァ……おまえらも来たのか?

アダム?
 驚くようなことじゃねェけど。あいつらのことで忙しいんだろ、キザ野郎さんよ? なら、おれと一休みしよう。

アダム?
 おれのやってきたことが、おれの世界の全てが、燃えて灰になっちまうとこを眺めてようぜ。

アダム?
 あっ、このコソ泥野郎! おれの牢獄を漁っただろ?

アダム?
 ったく、今おれに返せばコソ泥ってことにはなんねェぜ、どうする? 【→Give it to him(渡す)】

アダム?
 ……。

アダム?
 ありがとよ、キザ野郎。おれが吹っ切れるのに十分すぎるくらいのことをしてくれたぜ。おれは家に戻るよ。謝らないといけない奴らがいるんだ、そいつらが許してくれねェとしてもさ。

アダム?
 モタモタすんなよ。他の連中のとこにも行け、そしたらようやくおれたちはここを離れられる。


西部・浜辺からさらに西(※牢獄でウォーデン撃破を優先し、Lilitheと戦っていた場合)
マグダレーネ
 キザ野郎……何でアンタがここにいるのさ?

マグダレーネ
 ……どうでもいいか。アタシだって何でここにいるか分かんないんだから。

マグダレーネ
 とりあえず、礼は言っとくよ……あん時のことさ。
 あの化け物にふさわしい最期だった。

マグダレーネ
 少なくとも、アイツを道連れにできただろ? 最期に良いことができたよ。これでもう誰も苦しまなくていいんだ。

マグダレーネ
 あの蛇もここにいるけど、アタシにできることは何もない。ここは……あの世みたいなとこなのかな。それとも天国と地獄の間か。

マグダレーネ
 こんなとこが来世じゃないといいんだけどねえ。まあ、ひとまず……これでゆっくり休めるよ、アンタが無事だって分かったし。

マグダレーネ
 ケガすんじゃないよ、キザ野郎。ここを出て、アタシの分も生き延びておくれよ。アタシはダメだったけど、アンタは生きるんだ。

マグダレーネ
 またどっかで会おう。
 次の人生とかでさ。


東部・墓地
ガイウス?
 ……君もここへ? 避けられないことだったというわけか。は正しかった……当然だな。

ガイウス?
 何にせよ、すまなかった。我々に残された僅かなものと一緒に、君をこのみじめな世界へ引きずり込んでしまった。

ガイウス?
 他の皆には会ったか? 哀れな有り様だっただろう? それに対してやれることはほとんど無い。この世界はそういう場所だ。最初からこうなる運命だったのだ。

ガイウス?
 ああ、でも……君はこんな話は聞きたくないだろうね。君はまだ可能なうちにここを脱出したまえ。

ガイウス?
 我々罪人のことなど放っておいて、自分で撒いた種の後始末をさせればいい。

ガイウス?
 ん? 私のものを持っていると?

ガイウス?
 ああ、確かに君が話しているものが光っている。まさか……? 【→Give it to him(渡す)】

ガイウス?
 それだ……

ガイウス?
 罪の重圧が軽くなっていくのを感じるよ、それを言葉にできる程度のことではあるが。

ガイウス?
 本当に、心の底から感謝する。私たちは悲しみに沈んでいないで、残された大事な時間で寄り添い合うべきだ。

ガイウス?
 状況は元には戻らないとしても、寄り添うことで安らぎを得ることはできる。

ガイウス?
 家で待っているよ。一緒に終わりを迎えよう。


中央・家の前

 友人たちを助けてくれてありがとう。みんな慌てて帰ってきたよ、見ての通り幸せそうだ!


 みんなは先に行った。中へ入って私たちとお祝いしよう! 今日は全員にとって素晴らしい日になるぞ!


***************************


☆4人にSupremeアイテムを渡さずに進める場合
南部・
マラキ?
 星を見に来たのか? 久々だな、一緒にこういうことやれるのも。

マラキ?
 この星、どこから来たのかな。オレたちが来る前からあったのかな? それともこの世界が生まれる前から?

マラキ?
 どうでもいいことかもしれないけど……
 それでも、星を眺めるのは楽しいよ。

マラキ?
 え? あいつが家に帰れって?

マラキ?
 ダメだ。落とし物しててさ、帰る前にそいつを見つけないといけないんだ。

マラキ?
 え、持ってる? 見せてくれないか? 【→Do Not(渡さない)】

マラキ?
 そっか。また今度見せてくれよ。そうしてくれたらすごく助かる。【→Ask to do another favor(別のお願いをする)】

マラキ?
 そいつはオレじゃ力になれない。良かったら……北にいるオレの友だちが家に帰れるように取り計らってくれないかな。

マラキ?
 あいつが帰れたら、オレも帰れるかもしれない。あれを……持ってなくても。


北部・洞窟
ジェイドン?
 あっち行け! 僕は誰とも話したくない。僕にはもう誰かと話す価値なんて無いんだ。独りにしてくれ!

ジェイドン?
 あ……待って! 君の持ってるそれ! そ、それは僕のだ! 返して! 【→Do not(渡さない)】

ジェイドン?
 酷いヤツだな! ならどっか行け! どうせそんな穢れたもの僕にはいらない!


 友だちが会いたがっていたと伝える? 【→Yes】

ジェイドン?
 え……あいつが僕の様子を知りたがってたって? 何が起きてるか知ってるはずなのに! なのに……僕のこと心配してるってのか?

ジェイドン?
 ……あいつがそうして欲しいなら帰るけど、今は無理だ。大事なものを失くしちゃって。僕の代わりに探してきてくれない? そいつは森に逃げてった。あれがなきゃ僕は帰れない。

ジェイドン
 あのふわふわな毛並みとキラキラした目が恋しい。見つけてくれたら僕は家に帰るよ。

※南西の森の中で「Stuffed Cat」を手に入れた後、「Give him the toy(玩具を渡す)」
ジェイドン?
 そう、それ! それだ! 僕の猫のぬいぐるみ!

ジェイドン?
 大昔、「あれ」が起きた後にあの人がくれたものなんだ。我慢の限界って感じの状況になって、バラバラに引き裂いてやりたい気分になった時もあったけど、捨てられなかった。これのおかげで僕は最悪の時も乗り切れた。

ジェイドン?
 もう心配しなくていいんだ!
 これで家に帰れるよ!

ジェイドン?
 僕がずっと避けてきたこと、あいつが怒ってないといいな……


南部・崖
【→Tell him about his friend(友だちのことを教える)】
マラキ?
 お帰り! オレの友だちのことで何か良いニュースがあるんだろ?

マラキ?
 へえ……そっか。元気になったんだな、良かった。オレ、忙しくてあいつの顔を見に行く時間が取れなかったんだ! あいつが元気だって聞いて、オレ……

マラキ?
 うん、ドキドキしたよ、嬉しくてさ!

マラキ?
 よし、約束だ。あいつも待ってることだし、オレは帰るよ!

マラキ?
 ようやくまたみんなで集まれるんだな、楽しみだ!


西部・浜辺
アダム?
 あァ……おまえらも来たのか?

アダム?
 驚くようなことじゃねェけど。あいつらのことで忙しいんだろ、キザ野郎さんよ? なら、おれと一休みしよう。

アダム?
 おれのやってきたことが、おれの世界の全てが、燃えて灰になっちまうとこを眺めてようぜ。

アダム?
 あっ、このコソ泥野郎! おれの牢獄を漁っただろ?

アダム?
 ったく、今おれに返せばコソ泥ってことにはなんねェぜ、どうする? 【→Do not(渡さない)】

アダム?
 根っからの盗人かよ。なら持ってけ。おれも悪いことしたし、優しくしてもらえるようなご身分じゃねえ。


 友だちが会いたがっていたと伝える? 【→Yes】

アダム?
 ハッ。あいつが帰ってこいって? もうおれとは関わり合いたくないんだと思ってたぜ! ま、おれもとやかく言えねェ。おれだっておれみたいなやつと関わり合いになんてなりたくねェよ。

アダム?
 もう一人のやつのことは知ってるか? 神さまとやらの話ばっかりしてるやつだよ。信じるかどうかはおまえの勝手だけど、これはあいつが始めたことなんだ。おれは一番のダチを煽り立てて、真実を探るように仕向けた。

アダム?
 おれはその報いを受けた。おれは呪われた、仕方ねェこった。実際蛇ってのは脱皮するとその下の鱗が出てくるモンだ。

アダム?
 おれなんて忘れられちまった方がいいんだよ、キザ野郎。
 この世界には、おれみてェな犯罪者はいらねェんだ。籠に閉じ込められてるのがお似合いだ……


東部・墓地
ガイウス?
 ……君もここへ? 避けられないことだったというわけか。は正しかった……当然だな。

ガイウス?
 何にせよ、すまなかった。我々に残された僅かなものと一緒に、君をこのみじめな世界へ引きずり込んでしまった。

ガイウス?
 他の皆には会ったか? 哀れな有り様だっただろう? それに対してやれることはほとんど無い。この世界はそういう場所だ。最初からこうなる運命だったのだ。

ガイウス?
 ああ、でも……君はこんな話は聞きたくないだろうね。君はまだ可能なうちにここを脱出したまえ。

ガイウス?
 我々罪人のことなど放っておいて、自分で撒いた種の後始末をさせればいい。

ガイウス?
 ん? 私のものを持っていると?

ガイウス?
 ああ、確かに君が話しているものが光っている。まさか……? 【→Do not(渡さない)】

ガイウス?
 欲しいと言うなら止めない。それはもっと良きもののためにあるのだろうから。

ガイウス?
 私がこの世界と人々に対してやってしまったことを思えば、そのような慰めを得る権利は私には無い。


 友だちが会いたがっていたと伝える? 【→Yes】

ガイウス?
 が家に帰れと? 駄目だ、帰れるわけがない。
 あんな罪を犯した後なのに……

ガイウス?
 ……しかし、私が嫌だと言っても君は立ち去りそうにないな。なら、分かった。ただその前に、最後にひとつ我儘を聞いてくれ。

ガイウス?
 北に迷いの森がある。そこに、私の友人たちと家族の魂が迷い込んでいるようなんだ。

ガイウス?
 遺体を埋めてやれば私の罪から解放してやれると思っていたが、彼らはまだここに囚われている。

ガイウス?
 だから、頼む……どんなやり方でもいい、彼らを見つけて苦しみを終わらせてやってくれ。彼らが解放されたと分かるまでは、私は家に帰れない。

ガイウス?
 君がやり遂げられれば私は戻ろう。頼む、急いでくれ。


迷いの森
※左上の方にいる魂
ネイサン
 アンタ、バッターか? そうだ、工場でアンタを見た記憶がある。

ネイサン
 ガイウスに頼まれて俺たちを探しに来たんだろ?
 あのバカ、優しすぎるんだよ。

ネイサン
 他の連中はどうか知らんが、俺は自分に起きたことに関してアイツを責める気なんか無い。フン、ありゃくだらねぇミスだった。俺のミスであってアイツのじゃない。

ネイサン
 俺の心臓が吹っ飛ぶ前にそれを伝えるチャンスがあったら良かったんだがな。ま、少なくともこれでアンタを通じてアイツにその話ができる。

ネイサン
 気をつけろよ。他の連中のことも見つけてやってくれ、そうすりゃガイウスも自分で飛び込んだ狂気から解放されるかもしれねえ。


※右の方にいる魂
ローズマリー
 あ、見たことある顔! 君、バッターでしょ! ちょっと前に工場で会ったね!

ローズマリー
 ああ、ガイウスがヘコんでるんだ。あたしは心のケアみたいなことはあんまり得意じゃないけど、彼が元気になりそうなことならひとつ知ってるよ!

ローズマリー
 あたしが死んだ件で自分を責めるのは止めろって、あの泣き虫に伝えてやって! あたしは研究途中で自爆する運命だったんだよ。

ローズマリー
 彼を怒れるわけないじゃん!
 カッコよく逝けたんだからさ!

ローズマリー
 そのこと絶対伝えてあげて!
 あたしたちのことなら大丈夫!

ローズマリー
 頑張れ! 君のこと信じてるよ!


※右上の方にいる魂
ローランド
 あ……あなたでしたか。バッターさん。

ローランド
 あの時のこと……ごめんなさい。ぼくは行き過ぎました。

ローランド
 みんなの信頼を裏切って、ぼくがみんなをその手から守っていたはずの敵そのものに、ぼくがなってしまった。

ローランド
 ぼくは……牢獄のラボで恐ろしいことをしました。ガイウスさんが本当のことを知った時、ぼくを許してくれるといいんですが。

ローランド
 あなたがここにいるなら……あの人を助けてあげられるのではありませんか? お願いします、何があってもそれは絶対にあなただけの責任ではないと、あの人に伝えてあげてください!

ローランド
 あの人は、責任を背負い過ぎです……

ローランド
 ガイウスさんは皆を守ろうと尽力していただけです。良い結末にはなりませんでしたけど、あの人が悪人ではないことはみんな同意するはずです。

ローランド
 できる限りでいいですから、あの人を助けてください。ぼくたちが側にいると伝えてください。

ローランド
 それと、ありがとうございました……ぼくたちの周りで起きていたことの真相を見せてくれて。


※左上の方にいる魂
マーガレット
 あら、こんにちは。あなた、ガイウスが手を貸してもらいたがってたあの良い人ね。ようやくちゃんとお話ができて本当に嬉しいわ。

マーガレット
 ガイウス……本当に可哀想な、私の旦那さん。あの人の悲しみも絶望も終わらせてあげられないまま、ずっとあの人のことを見てた。

マーガレット
 でも今は、あなたの力があれば、囚われのあの人をこの穴から出してあげられる!

マーガレット
 あの人に伝えて。私が早くに死んじゃったことについて、あなたを責めてなんかいないって。

マーガレット
 私たち2人とも、あの実験にのめり込みすぎて安全確認ができてなかったんだわ。

マーガレット
 あれは事故よ。不運な、ひどい事故。

マーガレット
 あの人はあれを呪いみたいなものと考えてるようだけど、わたしはそうは思わないわ。物事って起こる時は立て続けに起こるものよ。

マーガレット
 あ、話し込んじゃった。あなたはお仕事に戻って! ガイウスに伝えてあげてね、あなたは何も悪いことなんてしてないけど、それでも私はあなたを許すって。

マーガレット
 それと……何があってもあなたをずっと愛してるって。


東部・墓地
【→Tell him you healed his friends(友人たちを癒したと伝える)】
ガイウス?
 戻ったか。頼んだ仕事は無事済んだようだな。不思議と……心が軽いよ。皆は君と何か話をしたのか?

ガイウス?
 ……私を許した? そ、そんな……理解不能だ。どうして……?

ガイウス?
 手を貸してくれて感謝する。問題は全て解決した、これで家に帰れる。君は、君が思っているより遥かに慈悲深いことをしてくれた。

ガイウス?
 ありがとう……本当にありがとう。


西部・浜辺
※ガイウスがいたところに落ちていた「Letter and Photo」を取っている場合のみ、一通り話した後

 手紙と写真を渡す? 【→Yes】

アダム?
 ジジイのとこにそれが? らしくねェな。けど、あの仏頂面の裏に傷ついた心を隠してたってことなんだろう。そもそもそいつを渡したのがおれじゃねェってのが悲しいよなァ。

アダム?
 見せなくていいよ。
 あいつらの本当の顔はよーく知ってんだ。

アダム?
 おれ、ガキの頃から盗みは得意でさ。おれが生まれた時からあいつはそういうものを大事にしてた。けど、主導権が取れねえのを後悔してちゃ死んじまうと思うんだよ。

アダム?
 よし。おれも戻ろう。

アダム?
 こんな状況じゃ、これ以上憎い気持ちにすがってもいられねェ。明日には世界が消えて無くなっちまうような時には、どうでもいいことは脇に置いとくもんだ。

アダム?
 じゃ、あいつに付き合ってやるか……最後に一回だけな。


西部・浜辺からさらに西(※牢獄でウォーデン撃破を優先し、Lilitheと戦っていた場合)
マグダレーネ
 キザ野郎……何でアンタがここにいるのさ?

マグダレーネ
 ……どうでもいいか。アタシだって何でここにいるか分かんないんだから。

マグダレーネ
 とりあえず、礼は言っとくよ……あん時のことさ。
 あの化け物にふさわしい最期だった。

マグダレーネ
 少なくとも、アイツを道連れにできただろ? 最期に良いことができたよ。これでもう誰も苦しまなくていいんだ。

マグダレーネ
 あの蛇もここにいるけど、アタシにできることは何もない。ここは……あの世みたいなとこなのかな。それとも天国と地獄の間か。

マグダレーネ
 こんなとこが来世じゃないといいんだけどねえ。まあ、ひとまず……これでゆっくり休めるよ、アンタが無事だって分かったし。

マグダレーネ
 ケガすんじゃないよ、キザ野郎。ここを出て、アタシの分も生き延びておくれよ。アタシはダメだったけど、アンタは生きるんだ。

マグダレーネ
 またどっかで会おう。
 次の人生とかでさ。


中央・家の前

 友人たちを助けてくれてありがとう。みんな慌てて帰ってきたよ。でもみんな何かが……変なんだ。


 まあ、みんなが中で待っている! 手伝ってくれて本当に助かったよ! 入ってくれ、一緒にお祝いしよう!


***************************


☆家の中
中央
ザフキエル
 ……何か用か?

ザフキエル
 私はここに居る。お前のお仲間の田舎坊主たちと付き合う気にはなれん。

ザフキエル
 用が済んだら声を掛けろ。


南部
マラキ
 ゾーン1には星なんかなかった。夜になることすらなかったんじゃないかな。思い出せる中で恋しく思うのはこれくらいだよ。

マラキ
 あっ、エイブラム! ごめん、まだ手をつけてないんだ! 空を眺めてたかったもんで。

マラキ
 星が見られるようになったらもっと素敵になると思わないか!
 オレ、星が見たくてさ!

マラキ
 ゾーン1じゃ星は出なかった。少なくともオレは見たことない。というか、夜になったことだってあったか? ハッ。

マラキ
 星空は、今もまだ記憶にある数少ない思い出のひとつなんだ。前の記憶ってことだよ。本当に綺麗でさ。

マラキ
 それを見るとオレは幸せな気持ちになれた。あれが爆発した日でさえそうだった。あの日のことは覚えてるか? あの後何もなくなっちゃったよな、あの時まで……うん。

マラキ
 オレはあの日、誰かを守ってた。そいつを抱きしめて、一生懸命かばってた……

マラキ
 だからオレは、ここに暮らす人たちを守りたい! みんなをしっかり守って、誰もあんな風に死なせない! オレ、約束する。

マラキ
 とにかく、他のみんなのところにも行きなよ。オレはこの瓦礫を片づけるからさ。


北部
ジェイドン
 あ、ああ……こんにちは、エイブラム君……

ジェイドン
 ごめん、僕……対等に話し掛けられるの、慣れてないんだ。何もかも圧倒されることばっかりで……

ジェイドン
 ゾーン2はこんなに刺激的なところじゃなかった。
 けど、遊園地は別だな。僕はあの場所が大好きだった!

ジェイドン
 あんな風なことを、ここでやってみてもいいかもしれない! 人がここに暮らすようになったら、楽しめるものが必要になるもんね!

ジェイドン
 ジェットコースターは……危ないか、でも観覧車はどうだろう? あとはゲーム! それに劇場!!!

ジェイドン
 そうだ、馬も飼えるかな?! メリーゴーランドがあったら素敵だな、あと動物に触れる動物園も! 馬が見たいなあ。牛とか猫じゃダメなんだ。

ジェイドン
 馬を見たことあるの? 連れてきてくれるって?! うわあ、ありがとう! きっとすっごく楽しいことになるよ!

ジェイドン
 アイデアが浮かんだらガイウス君と話してみる! あの人は僕たちのために計画を練ってくれてるんだ。

ジェイドン
 マラキに話すのが待ち切れないや! 彼も馬やゲームのこと絶対気に入ってくれる!

ジェイドン
 ありがとう、エイブラム君! 最高のものができると思うよ、見てて!


東部
ガイウス
 ふむ、この余った資材は島の拡張に使える。
 もう少し資材を集めてもいいな……

ガイウス
 ああ、君か、エイブラム! 失礼。メモを取るのに夢中になっていて気づかなかった。君を待たせていないといいが。

ガイウス
 このゾーンの外観について計画を立てていたところでね! 今はまだ基礎の基礎という段階だが、時間と労力をかければ私たちで完成させることはできるだろう。

ガイウス
 他の皆もやりたいことがあるようだし、後でフィードバックをもらうとしよう。これは皆で作り上げることになるんだからな。

ガイウス
 ところで……その、君の友人は大丈夫か? ここに来てから全く話をしない。ただひたすら……水平線の向こうを眺めているが。

ガイウス
 そうか。まあ、リラックスできるようになるといいな。彼もきっと私たちと共有しておきたいアイデアがあるはずだ。

ガイウス
 さて、有機物を育てることはできるだろうか? 例えば……木とか。私たちが見た木々はみんな枯れていた。残念なことだ。

ガイウス
 かつては何もかも緑色にしていたものだ。有機物を育てることができれば、同じものをここに作ることができるだろう!

ガイウス
 ただの夢物語かもしれないが……いずれにせよ、この計画はそのうちほぼ完成する。その後、どこかで着手しよう。

ガイウス
 人々がここに暮らすようになったら、チームを組んで家や仕事場を作るのを手伝ってもらってもいいかもしれない。

ガイウス
 ふふ……チーム運営なんてきっと気苦労が多いだろうが、やりがいはある。皆にとっても完璧なものになればいいが。

ガイウス
 君はもう行くといい。忙しい時にお喋りで君の時間を奪うわけにはいかない。家で会おう。


西部
アダム
 ……こんにちは、お兄さん。
 パパに会った?


 お前がここに居るはずはないのでは?

アダム
 ここがどこかはわかんないけど、ここにいると気持ちがいいんだ。でも誰もいないの! ぼくに話しかけてくれたのはお兄さんがはじめてだよ。お友だちになってくれる?

アダム
 やった! ありがと、お兄さん! 名前は何ていうの? ぼくはアダム! 生まれたときにあの人がつけてくれたんだ!

アダム
 あの人にもっと遊びに来て欲しいけど、いつも忙しいし、楽しそうじゃないの。あの人、パパに怒ってるのかな? 何でだろ?

アダム
 それともぼくのことがキライなのかな……パパもたまにそうなの。ぼく、何か悪いことしちゃったのかな?

アダム
 パパが早く迎えに来てくれるといいな。
 会いたいよ……

アダム
 おねえちゃんにも……


中央
ザフキエル
 用事は済んだのか? よし。我々はこの状況について話をしなくてはならない。

ザフキエル
 明日にする? まあいい。明日でも構わんだろう。なら、少し休むがいい。

ザフキエル
 忘れるなよ。


***************************


エイブラム
 最初の頃の彼らはあまりにも若かった。私は彼らを無の世界から引き上げ、新しい姿を与えた。力を合わせれば、皆にとって完璧な世界が創れると信じていた。

エイブラム
 だが時とともに状況は悪化していった。
 他の者たちと同じように、彼らはその身を焦がしはじめた。

エイブラム
 振り返ってみるに、あの日、アダムの話を聞いてあの場に行っていなければどれだけ良かったか。だが行かなかったとして、事態は今と違っていただろうか?

エイブラム
 もっとマシになっていたと思いたいところだが、あいつのことだ、あいつの力への欲求から逃れられる者など我々の中にはいなかっただろう。

エイブラム
 私は本当に愚かだった、もっと早くその兆候に気づけなかったとは……もう手遅れだ。

エイブラム
 何があろうと、あいつが我々もろとも打ち滅ぼされることを願う。それだけが私の唯一の望み。

エイブラム
 叶うことを祈る。