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Vincent: The Secret of Myers (Pre Alpha) チャプター2:マイヤーズ社隠し通路

dino999z氏制作のフリーゲーム「Vincent: The Secret of Myers (Pre Alpha)」の邦訳記事です。ゲームのダウンロードはこちらから。
※現在は英語版ver2.0.0を元にしています。
※意訳・超訳・誤訳あり。
(前→チャプター1:マイヤーズ社
(次→チャプター2:マイヤーズ社ロビー

 

 


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☆マイヤーズ社隠し通路1

 隠し通路からマイヤーズ社に入った私が最初に目にしたものは、暗く、狭い道だった。


 通路の終わりは見えない。入り口から差し込むわずかな陽の光だけが、周囲の輪郭を浮かび上がらせてくれている。


 通路の向こうにはなにが待ち受けているのだろうか? 分からない。


 このとき、私は怖くはなかった……ひとえに疑念だけが心に浮かんでいた。


 眼球を取ったときに見えた隠し部屋、そしてこちらに近づいてくるサイボーグ。私の思考は繰り返しそこに舞い戻る。


 あれはいったいなんだったのか? 幻覚? それとも単なる妄想?


 しかし……


 なにもかも、あまりにもリアルだった。


 あの瞬間、私はまるで実際にあの隠し部屋にいたかのようだった。


 私の心に浮かんだ抑圧、恐怖、絶望……


 形容しがたい激しい感情。


 私の見たものはいかようにも説明できる。


 目を覚ますと知らない館にいて、過去の記憶はなく、最初に出くわしたものは壊れたサイボーグ。


 誰だって、奇天烈な推測を始めることだろう。


 「これは激しいストレスのせいに違いない、って」私はひとりごちた。


 しかし心の奥底では、別の声がこう囁いている。


 『お前の見たものはすべて……実際に起きたことだ

 目的:マイヤーズ社ロビーに入れ


☆マイヤーズ社隠し通路2

 !?


 血だまりがある。


 正直なところ、こんなもの見たくなかった。しかしだんだんこの手のものに慣れてきている。


 ……。


 血だまりの形状を見るに、誰かが殺されて、その死体が通路の奥へと引きずられていったようだ。


 私はしゃがみこみ、血だまりにそっと指を浸した。


 ……。


 幻覚は見えない。今回はなにも起きなかった。


 だが……


 私は指先を親指でこする。


 この血だまり……完全には乾いていない。


 ……。


 言い換えれば、ここにいる招かれざる客は私だけではないかもしれないということだ。


 注意しないと。


☆マイヤーズ社隠し通路3

 !?


 あれは誰だ?


※血の跡

 血の跡はここで途切れている。


 だが奇妙なことに、死体はどこにも見当たらない。


※壁の紙

 これは……招待状?


 招待状の下側は焼け焦げており、なにが書かれているのかは分からない。


 だが招待状には、後になって書き加えられたと思しき手書きの短文があった。


 「パーティは好き?」


 「美味しい食事と飲み物を楽しみ、人間関係を深める……パーティが催されるということは、その日が記念すべき日であるということを示している」


 「だが悲しいかな、幸福と不幸というものは絶対的なものではない」


 「二者は相互依存的な性質を持ち、幸福が不幸に、不幸が幸福に変わりうる」


 「一見美しい庭にも、その芝生の下に醜い虫が蠢いているということはある」


 「あなたにとっては楽しい時間が、他の人には一生付きまとう影となるかもしれないのだ」


☆マイヤーズ社隠し通路4

 !?


 ここが社員用通路の終点のはず。


 正直なところ、思ったより長い道ではなかった。


 しかしその前に……


 私は周囲を見回し、大きく息を吸った。


 「誰かいるの???」私は通路に向かって叫んだ。



 !?


 ……あっ。


 一瞬、低くかすかな返事が聞こえた気がした。


 だが、単に自分の声が歪んで反響していただけだった。


 ……奇妙なことに、さっき目撃した人影はなぜかどこにもいない。


 そしてさらに厄介なことに……


 ロビーに入るためには、4桁の数字が必要だ。


 さて……こういうときは……


 私は考える。



 !?


 ちょうどそのとき、背後から響く金切り音が私の思考を妨げた。


 なんの音だろう?


☆マイヤーズ社隠し通路3
※謎の人形

 これは……玩具かなにかだろうか?


 よくわからないが、腕のついた……腕に見える。


 だがもっと大事なことは、こんなものさっきは無かったということ。


 さっき聞こえた奇妙な音は、これが落下した音だったのかもしれない。


 私を尾行しているのは誰なのだろう? なにが目的なのだろうか?

【→人形】

 玩具を調べる? →【YES】


 血だらけの……腕の生えた腕。


 玩具かなにかのようだ。


 付着した血は完全には乾いていない。床にあった血だまりと同じ人物のものだろうか。


 拾い上げて、もっとよく見てみるべきかもしれない。


 ……?


***************************


☆過去の記憶
???
 マイヤーズ社。

???
 G4エリアに暮らす者全員にとっての最終目標。

???
 夢が叶い、両親が誇りに思う場所。

???
 少なくとも……俺はそう思ってた。

???
 マイヤーズ社に来た日のことを、俺は決して忘れることはないだろう。

???
 興奮と活気が、緊張感に必然的に入り混じった。

???
 俺にとってそれは長年の情熱と猛勉強に対する報酬だったからだ。

???
 たぶん……マイヤーズ社のエリートたちなら誰でもそう言うだろう。

???
 だがいったい誰が考えただろう。大多数のG4エリア住民にとっての憧れの的であるこの企業の背後には、堕落と、罪と、そして永久に乾くことのない血だけが存在していたということを。

???
 俺は誰だ?

???
 俺はもう人間じゃない。

???
 もう、自分の名前すら思い出せない。

???
 今はもう、毎日当てもなくマイヤーズ社を徘徊することしかできない。

???
 俺はなにを必死に探しているんだ?

???
 ……。

???
 わからない。

???
 わからない。

???
 わからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからない

???
 ……。

???
 頼む……

???
 誰か、この苦しみから解放してくれ。



 こ……これは?


 私は……どこにいる???

ジョン
 はあ……

ジョン
 よし、ジョン、落ち着け……

ジョン
 これはただの仕事だ。

ジョン
 みんなに笑顔で、丁寧に自己紹介すればいいだけだ。

ジョン
 よし、いくぞ……

ジョン
 3、2、1……

ジョン
 『初めまして! ジョンです!』

ジョン
 うぅん……

ジョン
 これじゃちょっと感情的すぎやしないか?

ジョン
 やり直し、やり直し……

ジョン
 3、2、1……

ジョン
 『初めまし……』

???
 お! 君が新しく入ったジョンか?

ジョン
 !?

ヴィクター
 ようこそマイヤーズ社へ! 知らんかもしれんから一応言っとくが、俺は投資部部長のヴィクター・ブレイクだ。

ジョン
 あ、初めまして、ブレイク部長!

ヴィクター
 ハハ、そんなかしこまらなくていい。ヴィクターって呼んでくれ。

ヴィクター
 最初の事務手続きは全部済んだみたいだな。じゃなきゃ自分のデスクの場所も分からんはずだ。

ジョン
 はい! 全部終わりました。

ヴィクター
 いいね。G4エリア用のオンライン講習も済んでるか?

ジョン
 あの……オンライン講習って?

ヴィクター
 ん? ひょっとして仕事するのはここが初めてか?

ジョン
 は、はい……

ジョン
 実は、大学を出たばかりで。

ヴィクター
 へえ! そうだったのか。

ヴィクター
 新卒でマイヤーズ社に入れるとは、親御さんも大層鼻が高いだろうな。

ヴィクター
 けど、G4オンライン講習は受けとかないとダメだぜ。職を持つ社員の義務なんでね。

ヴィクター
 心配しなくていい。礼儀作法と正しい振る舞い方を教わるだけだ。

ヴィクター
 たとえば……

ヴィクター
 同僚に手を出してはいけません、みたいなことを。

ヴィクター
 あのさ……実は、俺もあの講習はちゃんと聞いてねえんだよ。

???
 ほう、本当か。それは聞き捨てならないな、ブレイク部長。

ヴィンセント
 実のところ、この会社で一番あの講習を受ける必要があるのはお前だと思うんだがな、部長殿。

ヴィンセント
 昨晩、私の家の洗面所の床を吐瀉物まみれにした偉業をお忘れか?

ヴィンセント
 お前の「礼儀作法」も「振る舞い」も実に感じ入るものがあるぞ、ブレイク。

ヴィクター
 おぉヴィンセント! 投資部になんか用か?

ヴィンセント
 通りがかっただけだ。マイヤーズ氏がなにか大事な話をしたいらしい。

ヴィンセント
 で、彼は?

ヴィクター
 新入社員のジョンだ。今日からこの投資部の一員になる。

ジョン
 は、初めまして!

ヴィンセント
 ジョン君だね? よろしく。私はヴィンセント・エッジワース。

ヴィンセント
 この男の部署に配属されたとはご愁傷様。

ヴィンセント
 こいつに酷い目に遭わされたら、いつでも法務部に異動してくるといい。

ヴィンセント
 この会社の反対側にある。

ジョン
 あ……はあ、分かりました……

ヴィクター
 そうだ、マイヤーズ社を無事窮地から救い出せてよかったなあ、ヴィンセント。

ヴィンセント
 ……ヴィクター。もう2か月も前の話だぞ。

ジョン
 !?

ジョン
 じゃああなたが、G4サイボーグ事件でマイヤーズ社を弁護した、あの有名な弁護士さん?

ジョン
 法廷での仕事ぶりは素晴らしかったと聞いてます!

ヴィンセント
 恐縮だ。確かにマイヤーズ社を弁護したのは私だが、別に有名人だとは思っていないよ。

ヴィクター
 ヴィンセントはずっとその案件にかかり切りだったんだぜ。やっと一息つけてよかった。

ヴィンセント
 それを言うのは時期尚早じゃないのか、ヴィクター?

ヴィンセント
 まあいい、そろそろ行かなければ。マイヤーズ氏を待たせるわけにはいかない。

ヴィンセント
 ジョン君、会えて良かった。マイヤーズ社へようこそ。

ヴィクター
 初日にヴィンセントに会えるとはツイてるな。俺ですら仕事中にあいつと会うことはそうそうないんだ。

ヴィクター
 あいつ、大学時代に比べたら他人への態度はずいぶんマシになったが、俺への態度はちっとも変わらねえ。

ジョン
 大学時代? エッジワースさんとは大学の同級生だったんですか?

ヴィクター
 ハハ、それだけじゃない。俺たちはルームメイトだったのさ。

ジョン
 えぇ!?

ヴィクター
 あいつは今でこそかなり紳士的になったが、昔は誰とも全然打ち解けなくてさ。

ヴィクター
 イケメンだから女の子にはずいぶんモテたかもしらんが、不愛想で横柄な態度のせいで同級生たちからの顰蹙を買ってもいた。

ヴィクター
 けど、あの忍耐強さと決意の固さは変わってねえ。

ヴィクター
 大学時代のヴィンセントはあるひとつの目標だけを持ってた。マイヤーズ社で、自分の夢だった職を得ることだ。

ヴィクター
 で、今と同じくらいあくせくと、その目標のために夜遅くまで勉強してた。

ヴィクター
 そして君も見たとおり、猛勉強は実を結び……あいつはマイヤーズ社の法務部長になったってわけだ。

ヴィクター
 さて、ジョン。そろそろあの退屈な講習を終わらせる時間を与えてやらないといけないな。

ヴィクター
 この会社についてなにか聞きたいことがあったら、俺のデスクに来てくれ。

ヴィクター
 マイヤーズ社での生活を楽しめよ! また後で。


ジョン
 ブレイクさん、気楽な上司って感じだったな。

ジョン
 でも……あの機械式義肢はなんなんだ? 昔なにがあったんだ?

ジョン
 エッジワースさんもだ。ブレイクさんの話を聞いたら、あの人のことももっと知りたくなってきた。

ジョン
 ……まあいいか、今はそんなこと考えてる場合じゃない。

ジョン
 そういえば、デスクの確認もまだだった。

ジョン
 なにがあるのか見てみよう。


【→付箋】
ジョン
 小さな付箋がある。隣にはキャンディが二つ置かれている。


 「ジョンへ。マイヤーズ社へようこそ!」


 「君の入社をお祝いして、我々からスペシャルなプレゼントがあります……」


 「マイヤーズ社のマスコット、マイヤーちゃんの人形です!」


 「かわいいでしょ?(笑)」


 「とにかく、マイヤーズ社での生活が楽しいものになりますように!」


 「マイヤーズ社投資部 2081年4月」


【→カレンダー】
ジョン
 カレンダーだ。前の社員が置いていったものかもしれない。


【→パソコン】
ジョン
 パソコンだ。仕事をするにはこれを使う必要がある。

ジョン
 ん? なんだこれは……?

ジョン
 どうやら、ここにいた前の社員がグループチャットからログアウトするのを忘れたようだ。

メンバー1
 ねえねえ、聞いた?

メンバー1
 ウィンストン・ルーミスがG4サイボーグ事件の犯人だったんだって! 無期懲役になったらしいよ。

メンバー2
 ウィンストン? いつもサングラス掛けてて、無口で、ちょっと猫背の?

メンバー2
 そりゃビックリだ。確かにあいつはあまり友だちはいなかったけど、悪人にも見えなかった。

メンバー3
 そうでもないだろ。あいつはいっつも胡散臭かったぞ。あいつを見かけるたびに不安な気持ちになったもんだ。

自分
 本当にウィンストンがG4サイボーグ事件の黒幕なのか? なんか納得いかないなあ。

メンバー1
 え? どういうこと?

自分
 なんというか……あいつが大勢の人を地下室に連行して実験体にするようなタイプの人間だとはあまり思えない。

メンバー2
 共犯者がいたんじゃないのか。知らんけど。

自分
 そういうことを言いたいんじゃないんだ。あいつは無口だし、マイヤーズ社にも全然友だちがいなかっただろ。

自分
 とすると、全部おっかぶせるにはうってつけの人間だと思わないか?

メンバー1
 ……。

メンバー2
 ……。

メンバー3
 ……おい、なに考えてんだ。そんなこと言うと会社の次のターゲットにされるぞ。

自分
 えっ? い、いや、単なる思いつきだよ、アハハ……

メンバー2
 まあいいさ、もっと元気の出る話をしよう。

メンバー2
 聞いた話じゃ、全部うまくいったら、会社が後でパーティを開く予定なんだってさ。

メンバー1
 うまくいくに決まってるよ。なんてったってこっちにはヴィンセントがついてるんだから。

メンバー3
 パーティ? いつ?

メンバー2
 えーと……2か月後の木曜日だったか? 正確な日付は忘れた。

メンバー3
 木曜日? なんだよ、木曜の夜はいっつも残業だ。

自分
 アハハ。パーティがある日なら知ってる。でも僕も行けないや……休暇を取るからね^-^

メンバー1
 えっ? 休暇? いいなー!

自分
 僕もすっごく楽しみにしてる。長いこと親と連絡取れてなかったし。

メンバー1
 でも……パーティでヴィクターとお近づきになれるかもと思うと、ヨダレ出ちゃうなぁ~

メンバー3
 ……アホか……

ジョン
 うーん……そういえば、数日後にマイヤーズ社でパーティがあるって聞いたな。

ジョン
 けど変だな。ここにいた社員が休暇を取ってるだけなら、なんで会社はそのデスクを俺に?


【→人形】
ジョン
 マイヤーズ社のマスコット、マイヤーちゃんだ。

ジョン
 大多数の人間がその造形を気に入っていないものの、マイヤーズ氏自らデザインしたという噂があり、口を挟もうとする者は誰もいない。


 !?


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☆マイヤーズ社隠し通路3

 いまのは……?


 前と同様、自分のものではない過去の記憶を見ていたようだ。


 いったいなにが起きているのだろうか?

 ヒント:特定のアイテムを調べると、過去の出来事を見ることができる。
 この能力を使えば、今取り組んでいるパズルを解く手がかりを得られる。


☆マイヤーズ社隠し通路4
※ドアにパスコード(0430)を入力

 立ち入りが許可されました。


 うまくいった。


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☆過去の記憶
社員1
 なあ、今日のヴィクターの顔見たか?

社員2
 見た。ありゃ……かなり怖かったな。

社員2
 なにがあったんだ? なんで今日はあんなに様子が変なんだ?

社員1
 知らないのか? 昨日の夜、ヴィンセントがパーティに向かう途中でひどい自動車事故に遭ったんだよ。今もまだ危篤の状態だ。

社員2
 はあ!?

ジョン
 (!?)

ジョン
 (エッジワースさんが?)

???
 おお! 君がジョン君かな?

???
 どうもどうも! 突然押しかけてしまってすまないね。ちょっと挨拶しておきたくて。

???
 今日は仕事の後は暇かね? 地下室に来て私と少し話をしないか?

ジョン
 はあ……あなたは?

???
 おっと! このポンコツ頭よ! 自己紹介をするのを忘れるとは。

???
 初めまして、我が友。

???
 私のことは……「M」と。


 調査完了:マイヤーズ社ロビーに入った。