四の五の

OFF派生のまとめとか洋ゲーの和訳とか

HOME ver1.0.4 ゾーン3:エリア3&エリア4(Area3&4)

故Felix The Judge氏制作のOFF派生作品「HOME (ver1.0.4)」の邦訳記事です。
ゲームのダウンロードはWindowsこちらMacこちらから。
※性別は男性を選択、プレイヤーの名前は「プレイヤー」に置き換えています。
※メインストーリーのみの翻訳です。実際にプレイしている際の補助として使うことを想定して作っています。メインストーリー以外の要素(NPCの会話、謎解きなど)は是非プレイして確かめてください。
※OFF非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。意訳・超訳・誤訳あり。
(前→ゾーン3:エリア1&エリア2
(次→ゾーン0(2回目)

 

 

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☆エリア3

ジャッジ
 肺が焼け付くようだ。今まで我輩の肢をこれほど酷使したことはなかった。 *ゼエゼエ*


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ジャッジ
 我々を墜落死から守る位置に袋が置かれていたことに感謝せねばな。

アラン
 残り少ない歯が一本欠けちまったぜ……

ヴァレリー
 僕は無事です、幸いなことにまだ生きてますよ。

ジャッジ
 では先に進もうぞ、プレイヤー。


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※煙突内・右のトンネル
ヴィオラ
 こんにちは猫ちゃんたち、また寄ってくれて嬉しいわ。

ヴィオラ
 ザッカリーはよく第4の壁を破るのかしら。私も彼みたいになった方がいい気もするけど……

ヴィオラ
 一日に何度もそれをやるのは疲れるのよ。私が気楽にやれることをやるべきよね。

ジャッジ
 ……。
 こんなことを言うのは忍びないが、我輩はお前の良き相談相手にはなれぬ。

ジャッジ
 我輩は買い物に来ただけなのだ、もしまだ何か売っているのならばだが。

ヴィオラ
 ああごめんなさい、もちろんよ。
 さ、ショップのメニューを開かせて。


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☆砂糖炉
エルセン
 あなた……いったい……

エルセン
 あなた、どこから来たんです?

ジャッジ
 我輩はジャッジ。この建物の真上を貫く煙突を通って来た。

エルセン
 ああ。

ジャッジ
 我々が居るこの場所は一体何だ?

エルセン
 ……。

エルセン
 その……今いるのはヴェスパーの砂糖炉です、ゾーン3の北側に当たります。

エルセン
 ここで僕たちは死んだ人々の死体を燃やし、画期的な精製システムを利用してその蒸気を砂糖に変換しています。

エルセン
 それを工場の壁に張り巡らされているチューブで処理場へ送り、洗浄して、残っていた灰を取り除きます。

エルセン
 そしてその砂糖は、日々の労働の報酬として全従業員に振舞われるというわけです……

ジャッジ
 その砂糖の製造を管理している者にはどこで会えるか、教えてもらえぬか。

エルセン
 責任者は所長です。

エルセン
 あ……あの人ならエリア4にいます。

ジャッジ
 ありがとう、親切な作業員よ。我々は先へ進むとしよう。


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バッター
 ジャッジ? お前がここを通って行ったのを確かに見かけたが。

ジャッジ
 何を言う、若き浄化者よ。我輩は背後の入口から来たばかりだ、そんな芸当はできぬ。

バッター
 そうか……では、ここにはもう一匹猫がいる。

バッター
 私はエリア4へ行く。
 そこに所長がいる。

バッター
 付いて来たければ構わん。
 待たせるなよ。


ヴァレリー
 あんな変な人は初めて見ました。どうやって知り合いに? あの人、皆さんと一緒にビスマルクで何をしてたんですか?

ジャッジ
 愛する弟よ、我輩がその質問に答えよう。あやつは自身を「バッター」と呼んでおる。

ジャッジ
 あやつは腕が立つようでな、バットを振るい亡霊どもを消し去ることができるのだ。

ジャッジ
 あやつの掲げる使命はこの地を浄化し、悪と不浄に満ちたこの世界を清めるというもの。

ジャッジ
 何とも途方も無い、馬鹿馬鹿しい使命を背負ったものよ。あやつとは何度も出くわしておる。

ジャッジ
 あやつがゾーン2に居たのはヤフェトを殺すためだ。用心せよヴァレリー、バッターは敬虔なる者などではない。

ジャッジ
 我輩とこのカニバリズムの友が割って入らなければ、あやつはヤフェトと一緒にお前も殺していただろう。

ジャッジ
 しかし、お喋りはもうよかろう。急ごうぞ。

 

  お知らせいたします。
  障害物を検知しました。
  車両の進行ができません。

バッター
 ……。

ジャッジ
 案ずるな、スポーツマン。我々がモノレールの外を見てきてやろう。


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ジョズリン
 どうしてあたしについて来るの?

ジョズリン
 プレゼントがあるの?

ジョズリン
 何だっていいわ! 何にせよあたしたち、こうして出会ってるんだもん。

ジョズリン
 目を見たら分かるわ。あなた、ちょっと頭がこんがらがってるだけなんでしょ。あ、プレゼントはまだ期待してるからね。

ジョズリン
 お花とキャンディを持ってくるってこと、思い出した?

ジャッジ
 お前の推測はどれも間違っておる。

ジョズリン
 え~……

ジョズリン
 じゃあ、いったいどうしてあたしについて来るの?

ジョズリン
 あたしを食べる気?
 あなたの牙、すごく大きい。

ジョズリン
 あたしはお砂糖とお肉は食べるけど、きっと美味しくないわよ。

ジョズリン
 ホントよ。前に自分の肢を二回かじったことがあるの。
 ちっとも美味しくなかった。

ジャッジ
 ……。

アラン
 このバカ、ワケ分かんねえ。

ヴァレリー
 モノレールに戻りましょう。こんなボケた女の人のことは忘れて。

ジョズリン
 あたしはバカでもボケでもないわよ!
 見せてあげる。

ヴァレリー
 パブロ、あの人、怖い……

ジョズリン
 タンゴを踊りましょ!

 

【ジョズリン戦】
ジョズリン
 ハッ! ハッ! あたしはタフなのよ!
 思い知らせてやるんだから。

 

【戦闘終了後】
ジョズリン
 ひどいじゃない……

ジャッジ
 彼女の精神は安定しているかどうか怪しいかもしれぬがな。

ジャッジ
 その戦闘技能の高さは確かなものだ。

ジャッジ
 お前、名を何と言う?

ジョズリン
 とってもお上品で変わってるのね。この人いつもこんなおかしな喋り方をするの?

アラン
 こいつ、イマジナリーフレンドもいるんだぜ。

ジョズリン
 ホント? あたしも!

ジョズリン
 あたしはジョズリン。ご主人さまを探してるところなの。このエリアは砂糖がたくさんあるでしょ。ご主人さまもここで見つかると思ったんだけどな。

ジョズリン
 残念、あの人はいなかったわ。

ヴァレリー
 僕たちと一緒に来たほうがいいのでは?

ヴァレリー
 僕と兄さんもよく一緒に旅をします。ご主人さまも見つかるかもしれませんよ?

ジャッジ
 プレイヤーはどうだ? 我輩は戦闘での彼女の姿を見て確信した。

ジャッジ
 彼女を仲間にして操りたいというそなたの熱意が溢れてきておる。

ジョズリン
 プレイヤーって?

アラン
 こいつのイマジナリーフレンドだよ。あんたもじきに慣れるさ。

ジャッジ
 アランよ、お前の口から放たれる言葉は我輩の正気を少しずつ蝕んでおるぞ。

ジャッジ
 その頭蓋の中で徒然と漂っている脳はいったいどう機能しておるのだ。

アラン
 そんなもったいぶった言葉、オレには聴こえないね。

ヴァレリー
 ……。

ヴァレリー
 皆さん? 邪魔する気はないですけど、モノレールが出発しちゃうかもしれませんよ。

ヴァレリー
 戻ったほうがいいです。

ジャッジ
 忠告痛み入る。
 ジョズリンよ、我々の旅に加わるがよい。お前の手はきっと役に立つ。

ジョズリン
 やったあ!
 
  ジョズリンが仲間に加わった!


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バッター
 随分掛かったな。


  障害物が消失しました。
  モノレールが発車します。
  発車の際は足元にご注意ください。


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☆エリア4
イーノック
 ……。

イーノック
 君たちは……君たちは誰だね?

イーノック
 猫の一群とは?!

イーノック
 そこの大きい歯の君。
 君はなぜ砂糖の匂いがするのかね?

アラン
 オレの歯は完璧なサイズだろうが。
 デカブツの肉ダンゴめ。

ジャッジ
 オホン。横から失礼する、我輩はジャッジ。

ジャッジ
 他のガーディアンたちへ警告した際には厄介事が起きたのでな、お前はもっと協力的であることを祈ろう。

ジャッジ
 お前が住人たちに大いなる不正を働いておるのが目に留まった。

ジャッジ
 死体を焼き、発狂に至る中毒性を持つデザートを従業員に与えている。

ジャッジ
 砂糖の製造を直ちに中止せよ、二度は言わぬぞ。

イーノック
 おかしなことを!

イーノック
 そんな過激なやり方が許されるものか!

イーノック
 女王に遣わされたのだな、そうだろう?

イーノック
 当然、女王だ。

イーノック
 彼女に違いあるまい。

イーノック
 誰でも構わん、美しき我が工場のラインを停止させるなどお断りだ。

ジャッジ
 選択肢は無い。
 お前はこの地のガーディアンとしての務めを果たしておらぬ。

ジャッジ
 我輩はその過ちを正すべく来た。

ジャッジ
 死と混沌がこの地を激しく震わせ、非道の白き結晶体を取り込んだ者たちを喰らい尽くしておる。

イーノック
 ここは幸福の砦!
 亡霊に対する防備だ!

イーノック
 ここにいる住民たちは幸せだったのだ、亡霊が現れるまでは。
 砂糖は皆を幸せにするために作られた。

イーノック
 そういえば、あの死者たちがいなくならない理由が分からないままだったな。

ジャッジ
 亡くなった人々がお前の禍に囚われておるのだろう。

イーノック
 あの亡霊は女王に遣わされたものだ。

イーノック
 君はそう考えたことは無かったのかね?
 実に論理的だろう……

ジャッジ
 奇妙なことを……

ジャッジ
 ならば……お前はこの地を穢すあの亡霊どもとは何の関係も無いと?

イーノック
 無論、無い。

イーノック
 わたしはイーノック、ゾーン3のガーディアン。不世出のガーディアンだ!

イーノック
 わたしの役目は他のガーディアンと同様、母なる女王から賜った力を使って堅牢なる環境を作り上げること。

イーノック
 わたしはゾーン3の生ける動力源。

イーノック
 女王は我々に、人々が住める場所を作る任務を委ねた。

イーノック
 我々は神のようなもの、太陽の持つ無限の力を引き出し、無の中に我々の世界を構築する。

イーノック
 ハハハ、わたしはこのメタファーが好きでね。

イーノック
 そう、神なのだ……

イーノック
 まさしくな。

ジャッジ
 我々は人々の神などではないぞ、堕ちた巨人よ。

ジャッジ
 お前の目の前にいる猫も、実はゾーン0のガーディアンでな。

ジャッジ
 我輩の地はこれまでずっと、亡霊の侵略を受けては来なかった。

ジャッジ
 この地を維持せんとするお前の浅はかな企み、怖気が走る。

ジャッジ
 我輩の憤怒はもはや止まることを知らぬ。

ジャッジ
 砂糖の製造を中止せよ、さもなくばお前の未来は闇に閉ざされよう!

イーノック
 何を言う!

イーノック
 君がどれほど強かろうと、わたしの巨体に敵いはせん!

イーノック
 ハハハ、慄くがいい、君を死に引きずりこむ脅威の影に!


イーノック
 もう逃げられんぞ! 君たちは哀れなる最期を迎える運命にある。苦しい死を呼ぶ前に降参したまえ!

 

【ゾーン3ボス:イーノック戦】
イーノック
 ハア……ハア……チビ猫ども! 全員踏み潰してやる!

ジャッジ
 お前が死神に助けを乞いたくなるまで、その巨体を打ち据えてやろう。

ジャッジ
 戦いの火蓋は切られたぞ、イーノック
 ゾーン3の穢れたガーディアンよ。

 

【戦闘終了後】
イーノック
 うう……うううう……

ジャッジ
 その程度の力で一国を守れるとでも思っていたのかね?

イーノック
 うううう……うううう……
 うぐぐぐ……

イーノック
 ううう……
 パブロ?

イーノック
 パブロ? 君か? 
 ここで何をしているんだ?

ジャッジ
 何と……

ジャッジ
 デーダンの時と同じだ。
 我輩、あの衰えた脳をいささか強く打ちすぎたのであろうか。

ジョズリン
 ケーキを焼いてくれるか聞いてみましょうよ。
 お腹が空いたわ。

ジャッジ
 ジョズリン……我々にはもっと差し迫った問題があるのだ。

イーノック
 わたしを無視しているのかな? おーい。わたしはここだよ!

ジャッジ
 うむうむ、お前の脂肪だらけの巨体にはちゃんと気づいておるわ。

イーノック
 わたしのゾーンに美味しいデザートを探しに来たのかい?

ジャッジ
 違う。イーノック、我輩がここに来たのはそんな理由ではない。

ジャッジ
 イーノック、直ちに砂糖の製造を中止することを命ずる。それは狂気の物質、道徳の範疇を超えておる。

アラン
 それに関しちゃ異議ありだ。砂糖は愉快な物質だよ。肉に合うんだ、特に新鮮な肉に。

ジャッジ
 アランよ……今はそういう時間ではない。

アラン
 *アランは沈黙状態になった*

ジャッジ
 喫緊の問題に戻ろう。イーノック、今日を限りに砂糖は一粒たりとも作ってはならぬぞ。

イーノック
 しかしここはわたしのゾーンだ! わたしが作ったんだ! この歓喜と幸福の城塞を築いたのはわたしだ!

ジャッジ
 それは単なる虚像に過ぎぬ。中毒物質に塗れた虚ろなる存在。

ジャッジ
 ここの住民たちは幸せではない。彼らには何も無いのだ、感情も、歓喜も。彼らの頭にあるのは呪われた砂糖の味のみ。

イーノック
 ああ……すまない……わたしはただ、作業員たちを幸せにしたいと思って……

イーノック
 だが幸せでないということなら……
 わたしは今日でこの工場を止めよう。

ジャッジ
 我輩の話を理解してくれたようで何よりだ。少なくともお前は思っていたほど役立たずではない。

ジャッジ
 よし、プレイヤーよ。
 この地を出発しよう。


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 ……。


 愚か者……自分たちが何をしたか分かっていないの?


 あの子は無防備な状態にある……


 もう時間の問題……


 あいつが、あの子を見つけるまで。