四の五の

OFF派生のまとめとか洋ゲーの和訳とか

ONE Demo4.5 プロローグ~地下室

Chimakiisane氏制作のOFF派生作品「ONE (Demo4.5)」の邦訳記事です。
ゲームのダウンロードはこちらから。
※性別は男性を選択、プレイヤーの名前は「プレイヤー」に置き換えています。
※メインストーリー+一部サイドストーリーのみの翻訳です。実際にプレイしている際の補助として使うことを想定して作っています。メインストーリー以外の要素(NPCの会話、謎解きなど)は是非プレイして確かめてください。
※OFF非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。意訳・超訳・誤訳あり。
(次→ゾーン0

 

 

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 「頼む、ここにいてくれ、ここなら安全だ。もしもの時は地下に行くんだ。お前がいなくなったら俺はどうしたらいいか……」

 ハハハ……はっきり覚えてるよ……
 あの言葉……
 思い出すのは酷い記憶ばかりだけどな……


 あの結末……


バッター
 お前の負けだ、ジャッジ。
 神聖なる使命を妨げる者はもういない。

ジャッジ
 止めろ! お前の狂気の進軍を果たさせるわけにはいかぬ!

バッター
 下がれ。

ジャッジ
 グアア!

バッター
 我が使命を完遂させてもらおう……


ザッカリー
 ……。


 俺は何もかも失った……友人たちも、家族も。みんな死んでしまった。
 俺は取り残された……あの化け物どもと一緒にだ。
 耐えられなかった……
 俺は正気を失いかけていた……

 だが、他に選択肢は無かった。
 俺は戦わなくてはならなかった。
 生き残らなくてはいけなかった。

 俺を覚えてるか?
 この前は油断したが……
 今度は……
 準備万端だ!


 俺の頭は鈍っていた……まともな思考ができなくなっていた。
 狂人の一歩手前まで来ている感覚があった。


 俺は不可能に挑んだ。この果ての無い孤独を終わらせるために……


 頼む……頼む!
 ……。
 あっ!


 俺の祈りは本当に通じた。この何もない世界で、俺はもう独りじゃない……
 俺はバッターから渡されたエレメントを使い、生命を作り出すことに成功した。

 だが勘違いしないで欲しい。この物語の主人公は俺じゃない……

 この子だ……


 そして始まり……


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●地下室(Basement)
☆ドゥの家
ドゥ
 あれ?

ドゥ
 きみはだれ?

ドゥ
 にんぎょう……つかい?

ドゥ
 あ! 人形使いさん!

ドゥ
 パパがドゥに人形使いさんのこと話してくれたよ!

ドゥ
 むかしの人形使いさんはわるいことしたんだよね……
 世界をメチャクチャにしちゃったんだってパパが言ってた……

ドゥ
 きみはそんな人形使いさんじゃないって、ドゥ知ってるよ。

ドゥ
 なんて呼べばいい?

ドゥ
 「プレイヤー」?

ドゥ
 ドゥ、その名前好き!

ドゥ
 きみはドゥの新しい友だちね!

ドゥ
 パパに会わせてあげたいな!

ドゥ
 パパは外にいるの。
 行こ!


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☆外
ザッカリー
ザッカリー
 ドゥ! 外で何してる?

ドゥ
 ドゥ、パパと遊びたい!

ザッカリー
 ちょっと待ってくれ……

ザッカリー
 あれは……人形使いか?

ドゥ
 うん!

ドゥ
 ドゥの友だちになったの!

ザッカリー
 ……。

ザッカリー
 そうなのか……?

ザッカリー
 ……。

ザッカリー
 分かった、お前に渡したい物がある。

ザッカリー
 おいで。


倉庫の前
ザッカリー
 その前に、お前に教えておきたいことがある。

ザッカリー
 俺もずっと一緒にはいられないと、頭の片隅で考えてはいた。

ザッカリー
 お前が人形使いと出会ったのなら、ちょうどいいタイミングだろう。

ザッカリー
 そろそろお前に戦い方を教えておこうと思う。

ザッカリー
 どうする……戦闘のチュートリアルをやるか? 【→No】
 (訳注:ここでは省略する。)

ザッカリー
 いいのか?
 俺がいつでもモンスターから守ってやれるわけじゃないんだぞ。

ザッカリー
 本当にいいのか? 【→Yes】

ザッカリー
 お前がそう言うなら……俺は止めないよ……

ザッカリー
 自分が何をしてるのか分かっているといいんだが。

ザッカリー
 こっちだ。お前に渡したいものがもうひとつある。


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☆倉庫
入り口
ザッカリー
 何度も引き止めてすまないな。お前にやってもらいたいことがあるんだ。

ザッカリー
 ゲームの冒頭にはパズルが無くちゃ面白くないだろ?

ザッカリー
 こいつを解いたら、左手の階段の先にある部屋で会おう。待ってるからな。


左手階段の先の部屋
ザッカリー
 こっちだ。来てくれ、ドゥ。

※ザッカリーに話しかける
ザッカリー
 これをお前に渡しておきたかったんだ。

 オバケの人形をもらった。

ザッカリー
 こいつは元々、大昔に他の人にやるつもりだったんだが……

ザッカリー
 お前ならこれを気に入るかもしれないと思って。

ドゥ
 ドゥ、これ大好き!

ドゥ
 ありがとう、パパ!

ザッカリー
 喜んでもらえてよかった。

ザッカリー
 さあ、家に帰ろう。
 襲われなくてラッキーだった。


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 この子を愛している一方で、こんな打ち捨てられた世界にこの子を生み出したのは正しい選択ではなかったのではと考えずにはおれなかった。それが自分の幸福のためだったとしたらなおさらだ。

 この子に自分の正体を伝える勇気は俺には無かった。この子は自分が作られた時の記憶が無い。

 遅かれ早かれこの子は真実を知るだろう。そのとき、この子が自分をコントロールできることを祈るばかりだ……


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☆ドゥの家
ドゥ
 エヘヘ! きみの名前はボタンだ!

ドゥ
 ボタンはだれにあげるつもりだったんだろ……

ドゥ
 聞いてみよっと!


ドゥ
 パパ! あのね……

ドゥ
 パパ?

ドゥ
 パパ、どこ行ったの?


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☆倉庫
入り口
ドゥ
 パパ? いるの?


右手階段の先の通路最奥で、右の机のメモを調べる
ドゥ
 古いメモがいっぱいある。

ドゥ
 なんて書いてあるのかはわかんないや。

ドゥ
 いちおう持っていこう!

 古びたメモを見つけた。
 (訳注:これを取るとゾーン3で分岐版のストーリーが発生する。)


左の机の黒い本を調べる
ドゥ
 なんだろこれ?

ドゥ
 ドゥ、文字よめない……

ドゥ
 でもあきらめないの!

ドゥ
 ザ……カ……リー……の……に……き……

ドゥ
 パパのだ!

ドゥ
 えっ?

ドゥ
 プレイヤーがよむの?
 いいよ。ドゥがよまなくてもいいんだね。


 ページ1:
 バッターによって全てのゾーンが浄化され、荒れ果てた無と化してからまだ4日しか経っていない。
 だが時間の感覚が失われたせいで、もっと長い時間が経ったような気がする。


 ページ2:
 奇怪な新種のモンスターがどこからともなく現れた。セクレタリーとも違うようだ。
 剣の腕には覚えがあるが、あの化け物どもは思っていたよりも遥かに狡猾で手強い。
 久しぶりに、勝てないのではという不安がよぎった……あいつらは強すぎる……
 まるで俺のことを知り尽くしているかのようだった……
 俺は昔使っていた倉庫まで撤退させられた。こんな場所があったことすらほとんど忘れていた。


 ページ3:
 もう限界だ! あのモンスターが現れてからずっとここに閉じ込められたままだ。正気を失いかけている気がする……
 パブロかシュクレがいてくれたらまだマシだったろう……しかし、二人はもういない……
 浄化後のゾーンで生き残っているのは俺だけだ。ただバッターが全部ぶっ壊しちまう前、もうひとり生存者がいたという話をしていたな。
 長いこと閉じ込められていたせいではっきりとは思い出せない。他のゾーンも、ああいったモンスターどもにやられていてもおかしくないが。


 ページ4:
 俺の頭はついに狂ったらしい。バッターから貰ったエレメントで生命を作ることを考えている。
 かつてのガーディアンたちが無からゾーンを作った方法を思い出したとき、その考えが浮かんだ。しかし、どんな結末になることやら。

ドゥ
 ここで終わってる……

ドゥ
 あっ、待って!
 最後のページの下に何かあるよ!


 ドゥへ、独りにしてすまない。だが理由があってな。
 ここ最近はモンスターどもがあまり現れない。だから、俺はゾーン0を監視している化け物を倒しに行く。
 俺を許してくれ。

ドゥ
 パパ……

ドゥ
 ドゥも手伝う!

ドゥ
 あれ?
 本の下にボタンがある。

ドゥ
 ドアが通れるようになったよ!

ドゥ
 パパを助けに行こ!


 生き物だ!
 バラバラにしてやる!

ドゥ
 あ、わ……


【Oozle戦】


【戦闘終了後】
ドゥ
 ボタン? ドゥといっしょに戦ってくれるの?

ドゥ
 よし、プレイヤー、パパを助けるために戦お! いっしょに!


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 あの子は完璧ではない。
 限られた物質で肉体を持つ生命を作るのは容易なことではない。
 だが完璧だろうとそうでなかろうと、俺はあの子を愛している。状況の悪化を食い止めることさえできたなら……