四の五の

OFF派生のまとめとか洋ゲーの和訳とか

UNLOAD Demo3 リージョン3:クライビート山(※現デモ最終ステージ)

M-256氏制作のOFF派生作品「UNLOAD (Demo3)」の邦訳記事です。
ゲームのダウンロードはこちらから。
※メインストーリーのみの翻訳です。実際にプレイしている際の補助として使うことを想定して作っています。メインストーリー以外の要素(NPCの会話、謎解きなど)は是非プレイして確かめてください。
※OFF非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。意訳・超訳・誤訳あり。
(前→リージョン3:クライビート 跡地&塔

 

 

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81
 ずいぶん高い山だな。

マーク
 だが我々が求めているのは頂上ではない、山中にあるものだ。

81
 あんたは何で中を見たいんだ? 僕はナイトを倒すために来た。あんたは?

マーク
 不浄の気配がした。私からは何者も逃れられん。

マーク
 しかし、お前は何故ナイトを倒す。

81
 家に帰るため?

マーク
 なるほど。


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 何だよ?

81
 僕たち、ナイトの居場所を知りたいんですけど。


 どう見てもここじゃねえだろ、ドアホ。あいつなら上で演奏してるよ。


 あいつに何の用だ?

マーク
 彼の演奏を観に来た。


 なら話は別だ。あんた、その新しいモデルをあいつに見せに来たんだろう。

ジンゾ
 新しいモデル?


 他に言いようがねえだろ? 頭の形は違うが、応用の利きそうな良い作業員に見えるぜ。


 とにかく、俺は自分の仕事で忙しい。ペダロを使えるようにしといたから、楽しんでいけよ。


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81
 たぶん「コンサート」に倒さなきゃいけない次のナイトがいるんだろうな、で、このエレベーターでそこまで行けると。

81
 けどしばらく掛かりそうだ。


マーク
 イリドンダ殿。

マーク
 あなたはここに少なくとも一週間はおられた。

イリドンダ
 何の話ですか。

マーク
 あなたは自分がここにいる理由をご存知か?

マーク
 私は自分がここにいる理由を知っている。クライビート爆破の犯人と思しき人物を知っている。

イリドンダ
 そうですか。

イリドンダ
 続けなさい。

マーク
 その素振りでは気は進まないが、私が見たことを話そう。

マーク
 先の地を彷徨っていたとき、私は天使を見た。それは私の半身に似て、癇癪を起こしたヘルメットの男の命令に従っていた。

マーク
 彼らも道に迷っていた。きっとユーゴアが、あの第五の壁の奥に潜む忌むべき存在が、「悲劇に満ちたこの地を浄化する」ために二人を連れて来たのだろうと思った。

マーク
 完璧な浄化者だった。私は嫉妬の念を込めて二人を見ていた。

マーク
 言動は真逆だったというのに、そのことを疑わなかった私を許して欲しい。

イリドンダ
 ……あなたは。

イリドンダ
 あなたは、浄化者として最低の出来損ないです。

イリドンダ
 何故もっと早く彼を止めなかったのです!? あなたは何一つ疑いもしなかったのですか?!

イリドンダ
 あなたは何者ですか? 空っぽ? あなたのような老いぼれに浄化者と呼ばれる資格はありません、我々の顔にそんな風に泥を塗るなんて!

イリドンダ
 この穢れた……

マーク
 話の途中すまないが、イリドンダ殿。

マーク
 あなたも大差は無い。先の質問を繰り返させていただく。

マーク
 聖杯のエース、あなたは自分がここにいる理由を覚えておられるのか?

マーク
 あなたの重責は耐えがたいほど辛いもの。

マーク
 一週間は私には十分な時間だ、しかし私は孤立しあなたは群れた。いつからこのことを隠しておられた?

マーク
 突然怒り出したことは構わない。

イリドンダ
 すみません、マーク。そんなつもりはなかったのですが。

イリドンダ
 こんな穢れた恐ろしい記憶は消してしまいたかった。思い出したくなかった。

81
 イリドンダ……大丈夫、僕たちに話してくれていいよ。

イリドンダ
 ゴメンなさい、81。心の準備がまだできてなくて。

イリドンダ
 しかしひとつだけ聞かせてください、81。もし良ければ。

81
 もちろん。

イリドンダ
 あなたは本当にこの世界を出たいのですか?

イリドンダ
 ここにいるみんながここに留まっている理由、あるいは去ろうとする理由を持っている。しかしあなたの場合、あなたが本当はどうしたいのかがよく分からない。

81
 何で今そんなこと聞きたがるのさ? エレベーターの中で聞くことじゃないだろ!

81
 それに、まあ、そう、その通りだよ! 僕はここを出る! 何としてもここを出てボスのところに帰るんだ!

81
 でも大丈夫、みんなも一緒に連れて行くから!

81
 それが良い事だろうと悪い事だろうとね。

マーク
 私もか?

81
 たぶんね。

81
 でもいま重要なことは、えっと、あれだ、何の話をしてたんだっけ? ああそうだ、天使みたいな格好した人を見かけたってことだよ。

81
 マークが言ってたような連中を見つけたらぶっ飛ばしてやればいい。きっと大したことないさ。

マーク
 本気でそう思っているのか。

81
 僕たちを見ろよ、マーク。最初に会った時のあんたはすごく強かった! でもついさっき僕たちはあんたに勝った! ユーゴアは間違いなく何もかも楽にしてくれてる! ツキは僕たちの方にあるんだ、悪いことになるわけないって!

マーク
 ユーゴアの行動は読めない。これが最後の忠告だ。

81
 黙っててくれない? 縁起悪いことばっか言ってさ。

マーク
 図に乗るな。

81
 うわっ、ごめん、でももうそんなこと言うなって!

マーク
 いいだろう。

イリドンダ 
 コンサート会場までずいぶん時間が掛かりますね。この山、どれだけ大きいのでしょう?

ジンゾ
 なんでコンサートが気になるの? なにか楽しみなものでもあるの?

イリドンダ
 戦ったり音楽を聴いたりすれば気分が晴れるかもと思いましてね。そういうものだと思うのですよ。ええ。以前はそうでしたから。

ジンゾ
 コンサートには食いものもあるかもしんない。楽しみだね。


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●コンサート会場
81
 外の石像は盛ってるだけだと思ってたのに!

イリドンダ
 ずいぶんやかましい音楽ですが、耐えられないことはないですね。

81
 どうやって話をつけようか?

ジンゾ
 ジンゾ、やり方しってる!

81
 ジンゾ、ダメ……

ジンゾ
 ねー!

メタルナイト
 邪魔しやがったのはどいつだ?!

メタルナイト
 てめえらか。ぶっ潰されたくなきゃとっととここへ来て理由を説明しやがれ、今すぐにだ。

81
 あ、あああの、あの……

メタルナイト
 ここへ来て喋れっつったろうが!

メタルナイト
 よーし。俺様が締め上げてやる前に吐け、チキン野郎。

81
 あなたがメタルナイトなんですね?

メタルナイト
 見りゃ分かるだろうが。誰だと思ったんだ? 似たり寄ったりな顔したおべっか野郎か? あと「あなた」なんて呼ぶんじゃねえ。

メタルナイト
 てめえらが来た理由は分かってるぜ。あいつが寄越したんだろう。

メタルナイト
 ああ、あの情けねえイカレ野郎だ。あいつは自分の手を汚すのは大嫌いだからな。

メタルナイト
 忠告してやる。ここを出て、あいつの手の内から出来る限り離れろ。俺様はこのクソみてえな場所を腐らせてるかもしれねえよ、だがあいつの考えてることは経験から分かる。

マーク
 何を根拠に自分が正しいと考えている。

イリドンダ
 あなたはまだスモークナイトが無実だなんて嘘を信じているのですか? 馬鹿馬鹿しい、あなたの正しさの感覚は歪みきっている!

ジンゾ
 プラスチックナイトとスモークナイトはパパとママをころした! いっぱい人をころしたぞ!

メタルナイト
 てめえら、俺様の話を聞き流してやがるのか?!

メタルナイト
 もう一つ忠告だ。あいつが何と言おうとこいつはゲームなんかじゃねえ。

81
 そんなのもう知ってるよ! 僕たちは馬鹿じゃないんだ、自分が何をしてるのかは分かってる。

メタルナイト
 そうかよ? なら、節度ある方法で解決しようじゃねえか。

マーク
 それは?

メタルナイト
 殴り合い以外に何があるってんだ?!

メタルナイト
 今日のライブは盛り上がりそうだぜ!

メタルナイト
 俺様の怒りは千の太陽をも凌ぐ、勝つのは俺様だ!

 

【リージョン3ボス:メタルナイト戦】
メタルナイト
 ちょっと待て、こいつは違えな。

メタルナイト
 手直しだ!

メタルナイト
 それじゃ、おっぱじめようぜ!

 

【戦闘終了後】
メタルナイト
 俺様の負けか……

81
 ああそうだ! 何か言い残すことは?

メタルナイト
 スモークナイト……すまねえ、お前の仇を取ってやれなかった。

メタルナイト
 だが、このファッキン野郎どもに最期の反抗だ。

イリドンダ
 待ちなさい、何を……

メタルナイト
 俺様のクリスタルは見つけられねえぜ、バーカ。

81
 あいつ……自分で自分をバラバラに。

マーク
 勝利は我らが手の内に。

81
 何でもいいや! クリスタルを見つけなきゃ!


 おい! 音楽はどうしたんだ?


 このライブつまんねえぞ!


 次の曲はいつ始まるんだよ?

81
 しまった、観客のこと忘れてた!

イリドンダ
 もう手加減はナシです!
 浄化の雨を降らせる準備ができた人は?

バクダン
 はいよ。

ジンゾ
 バクダンおじちゃんが戻ってきた!

バクダン
 この星屑の身に掛けて、その通り。お前さんたち4人ともボロボロのようなんでな、このロボットはオレが食い止めてやる。

イリドンダ
 バクダン、あなたがそんなことをする必要は。

バクダン
 オレがやらなきゃ駄目だ、これはお前さんのためだ。さ、頼むから行ってくれ。

81
 でも僕たちだって……

バクダン
 行け!

マーク
 彼女は私が守る。


バクダン
 さーて、ぶっ飛んだチューンを聴く覚悟が出来た奴は?

 

ジンゾ
 着いた。みんなヘーキ?

マーク
 無事だ。

81
 けどな、マーク。

81
 何であんたはバクダンを手伝わなかったんだ、あんたがいなくてもイリドンダはちゃんとやっていけるってのにさ?

マーク
 ……私には私の事情がある。

81
 臆病者。あんたみたいな奴はみんなそうだ。揃いも揃ってクソッタレの臆病者だ。

81
 彼女は偉い人なんだろ? だったら彼女のために命を捨てるのがあんたの義務だ!

マーク
 分かっている。だがバクダンは彼女を先へ進ませたいように見えた、だから私は彼女と共に行く。何であれ。

マーク
 私を排除しようとしても無駄だ。

81
 僕があんたのこと大嫌いだって分かったかよ。

マーク
 どうでもいい。

イリドンダ
 二人とも止めなさい。ワタシたちの目指すものはすぐそこなのですよ。

マーク
 失礼。


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イリドンダ
 あれは、美術館で会ったあの男!

マーク
 私が見たのはあの男だ。しかしもう一人はどこへ行った。

81
 確かめてみよう。おいお前!


81
 スッと消えちゃった!

イリドンダ
 そう遠くへは行っていないはずです、ワタシには分かります。彼は恐らくまだ何かを隠している。


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81
 お前! お前がこの事件の犯人か!?

レニー
 かもしれない。でも、例えばここに二人の革命家がいたとする。

レニー
 一人は考えることしかできず、もう一人は動くことしかできない。

レニー
 二人は支配者と戦っている。

レニー
 ある日、考える者が思考の種を撒き、動く者がそれに沿って行動した。

レニー
 そういう状況で、一番罪深い者とは誰なんだろうね?

81
 お前、何の話をしてるんだ!?

レニー
 僕が話しているのはメタファーだよ、労働者くん。

イリドンダ
 あなたは……

レニー
 やあイリドンダ。君がいることは分かってたよ。

イリドンダ
 あ……あなたは、数日前にワタシが記憶の抹消をお願いした人!

レニー
 その通り。少なくともちょっとは効いたねえ。

81
 二人は知り合いだったの!?

レニー
 おやおや。イリドンダが訳ありだったんで、親切心からそれを何とかしてあげようとしたのさ。

レニー
 ホントは全部僕の計画通りだったんだけどね、こんなにうまくいくなんて嬉しいなあ。

マーク
 もう少し詳しく話してくれないか? お前は何故こんなことをした?

レニー
 なら、教えてあげる。


レニー
 君たちはユーゴアを知ってるみたいだね。ならこのファイルの本質のことは?

レニー
 ここに忌わしい真実を明かそう。この世界そのものたる生命の木、その根幹を成しているこのアンロード・ファイルは、生と死を独りでに繰り返しているんだ。

レニー
 全てはあるひとつのファイルから始まる。それは大小さまざまな変化を遂げていく。

レニー
 それはどんどん大きくなって、でもその世界がどれだけうまくいっていようと、ファイルの創造主には必ず何かが起こるものだ。

レニー
 全ては終わりを迎える。

レニー
 ファイルが終焉を迎えると、そこにあったものはみんな捨てられる。

レニー
 神の住まう地下で、死者たちは違う人生を与えられる。

レニー
 でもその時、死者たちが最終的に生まれ変わる場所は、新たなファイル。

レニー
 軽率でサディスティックな社会不適合の集合意識によって作り出された永遠の変革、それがこの世界の真相だ。

マーク
 お前が通ってきた地で罪無きロボットが虐殺され、セクレタリーが暴走したのを私は見てきた。お前の話はどこまで信用できる?

レニー
 僕は真実を話しているんだから、君の信用を得る必要なんかない。僕の話を聞かないなら、君のお粗末で薄汚れたヒーローとしての名声にもう一つ汚点が残ることになるよ。

マーク
 ……お前、どうしてそれを……?!

レニー
 僕は本当にたくさんのものを見てきた。君や「君」のことを見てきた、この世界で過ごした500年で、少なくとも1000回は。

レニー
 時間なんて僕にとっては砂のようなもの、それはいつしか死を振り撒くものになった。

レニー
 これは、娯楽だけを求めて前に進もうとしないサディストの神がもたらした苦しみの連鎖。

レニー
 大人になれない子供たちのための狂った妄想の連作なのさ、何とも歪んだおとぎ話だよね。

レニー
 そんな世界の存続に自分も一枚噛んでいると知りつつ事態を眺めていることが、どれだけ気の狂いそうなことなのか、君たちに分かるかい? 

レニー
 分かるわけがない。君たちからしてみればここは楽園なんだから、大勢の人々の涙で作られた楽園。

レニー
 さあ、僕はこれから何をするかを話した。

レニー
 僕が全てを終わらせる。

レニー
 次は君たちの番だ。

 

【レニー戦】
レニー
 君たちが再生したとしても、
 それもまた真実。
 僕が語るのは真実のみ。


レニー
 僕の体力が減って、これで終わりだと思ったかな。

レニー
 でもね、僕の登場はただの目眩ましなんだ、僕がずっと引き連れてきた者に繋がるただの中ボス。

レニー
 どこに居るのかって? このドアの向こうだよ、一つ二つ部屋を抜けたところさ。

レニー
 じゃあ僕はおさらばするよ。
 サヨナラ、クソ野郎ども。

81
 待て!

 

【戦闘終了後】
81
 あの野郎、逃げたぞ!

イリドンダ
 かもしれませんが、彼の話を聞いていなかったのですか? 恐らく彼の「ボス」がこの先にいます。まずはその人に会わなければ!

81
 そうだね、でも今度あのすましたバケツ頭に会ったら、ブサイクな面をめちゃめちゃにしてやる。


***************************


ジンゾ
 だれもいないよ?!

81
 あのヘルメット野郎が?を吐いたんだ。まあいいさ、回れ右して戻ろう。


イリドンダ
 皆さん、あの光が見えましたか?

81
 うん、何だと思う?


81
 うわあっ! な……何だお前は?!

ピュアナイト
 ……俺は浄化者。それが俺だ。

マーク
 有り得ない。お前が、クライビートを滅ぼした犯人なのか?

ピュアナイト
 ……その通り。

ピュアナイト
 邪魔が入らなければもっとうまくやれたがな。

イリドンダ
 そのオーラ。あなたは確かに浄化者です。しかし何の目的でここへ? それに名を名乗りなさい。

ピュアナイト
 俺はピュアナイト。俺への指令はシンプルだ。俺の目的を阻む者もろとも大いなる苦しみを消し去ること。

ピュアナイト
 今日は俺の祝いの席に違いない、これからお前たち全員を殺すのだから。

81
 なんで自分が勝つと思ってるんだ、自惚れ屋め?!

ピュアナイト
 簡単なことだ。

ピュアナイト
 目の前にいる罪人どもと比べれば、俺がヒーローということになるからだ。

ピュアナイト
 俺は臆病者でも、殺人鬼でも、戦犯でも、ましてや失敗作でもない。

ピュアナイト
 俺がお前たちの苦しみに満ちた命を終わらせてやろう……
 お前たちの救世主として、お前たちの罪を焼き払おう。

 

【ピュアナイト戦】
ピュアナイト
 我が秘儀たる炎を以って
 この世界は終わり
 星々は燃え上がる

ピュアナイト
 戦いを始めよう。

 

【戦闘終了後】
ピュアナイト
 ……これがお前たちのやり方か。

81
 待て、そいつはどういう……

イリドンダ
 な……あなた、何をしたのです?

ピュアナイト
 分析は終わった。


81
 イリドンダ!

  イリドンダは肉と煙の塊と化した。

マーク
 この獣め。

ジンゾ
 エイトからはなれろォ!

ピュアナイト
 断る。


81
 そんな、ジンゾ!

  ジンゾリーノは肉とプラスチックの塊と化した。

81
 お前、何てことを!

ピュアナイト
 うるさい奴め。次はお前だ。

81
 あ……


81
 マ、マーク!? あんたまで?!

81
 何で?! あんた……くそっ、大丈夫か?!

マーク
 頼む……逃げろ、81。臆病者の選択肢を取れ。サラに愛していたと伝えてくれ。

  マークは肉とメタルの塊と化した。


ピュアナイト
 おやすみ、81。


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 あの日、ぼくは気がついたんだ、それがどれだけ幾度となく繰り返されてきたのかを。
 ぼくのために作ったあの乗り物はきっと止まらない、あれはどんどん面白そうなものになっている。
 もう少しで、面白いものになる。


 つらい。
 分かってる、ママもパパももう来ない。
 友だちも来ない。


 いいんだ、いつでも新しいのを作れるんだから。
 そうだろう?
 そうだよ。


 ぼく自身を救うにはこうするしかない。彼らはぼくを見捨てたかもしれない、でもぼくは違う。
 最後に嘲りの笑いをあげるのはぼくだ。
 家に帰ろう。


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☆死後の世界
81
 なんて夢だ、何て世界だ。

81
 僕は誰だった? 分からない。

81
 電車に乗らなくちゃいけない気がする。思い当たるのはそれだ。

 


 ハハ。


 次の電車を待っているのですか、可哀想なスポーツマンさん?


 いいですよ、ワタシも待っているところですから。


 しかしあなたのお若い顔には見覚えがあります。ワタシたち、前に会ったことがあるのかも。


 時間に印をつけることができたら分かったでしょうね。


81
 来た。


81
 席を取らなくちゃ。


81
 ここ、いいですか?


 どうぞ!

81
 今のところは順調だけど、この電車がどこへ行くのか誰か知ってるのかな?

81
 そんなのどうでもいいか。

81
 どうでも。 (終)