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OFF派生のまとめとか洋ゲーの和訳とか

SpaceCommunist版OFFtale(虐殺ルート:ウォーターフェル その2)

SpaceCommunist氏作成のOFFtaleの邦訳記事です。
※UNDERTALEについては公式日本語版準拠ですが、OFFの世界観に合わせるため漢字メインにしています。
※OFFについては非公式日本語版未プレイにつき個人訳準拠です。

(前→ウォーターフェル その1
(次→ホットランド

●出典OFFtale AU - Waterfall (Genocide), Part 2

 

 

フラウィ
 ……。


モンスターの子
 オッス!
 また会ったな!

フラウィ
 まーーーたあのバカか。
 サイコー。

モンスターの子
 な、なあ……
 オレ迷子になっちゃった、ハハ!
 アンダインのとこにアルフィーから電話があったんだ、パピルスとあいつの兄ちゃんのことでさ……

モンスターの子
 アンダイン、最初はオレをホットランドに連れて行こうとしてたんだけど、それでパッと引き返しちゃって……
 そっからずっとここで待ってんの!

モンスターの子
 たぶんさ……
 アンダインはこのゴタゴタの犯人を知ってるんじゃないかな……
 きっとそいつらを追っかけてるんだ。

フラウィ
 へえ、ホントに?
 キミは誰がやったと思う?

モンスターの子
 えっと、地底の世界が灰色になったのが昨日の夜で……
 確かアルフィーが言ってたけど、その頃に遺跡からニンゲンが来たんだよな?

モンスターの子
 だからきっとそのニンゲンのせいだよ……たぶんね。
 アンダインもそう考えてるみたい。

バッター
 ……。

フラウィ
 ……。

モンスターの子
 まっ、そいつにばったり出くわしたりしないといいな、ハハ!

フラウィ
 ……だねえ。
 幸運を祈るよ。
 行こう、聖人。

モンスターの子
 ねえ! ま、待って!
 オレ、その……ひとりで帰れる気がしないんだ……

フラウィ
 え、何でさ?
 キミは強いから何でもできるんじゃなかったの?
 それともビビった?

バッター
 もういい。

バッター
 人の面倒を見ている暇は無い。
 ましてや侮辱する暇など。


モンスターの子
 オ……オレは別に……
 ち、違う!
 オレはやれる!
 ビビッてなんか……


ザッカリー
 おっ!
 よう、バッター!
 ハッハッハッハ。

バッター
 ザッカリー?

フラウィ
 やれやれ、また幻覚か。
 次はボクにも見せろよな!

ザッカリー
 その花のことは気にするなよバッター。
 無視するんだ、そうすりゃお前さんは大丈夫。

ザッカリー
 俺と商品に再会できて嬉しいかい?
 プレイヤーは喜んでるだろうぜ。
 いわんや読者をや!

ザッカリー
 作者はまったく良い判断をしたよ、俺みたいな人気キャラを登場させるとは。

ザッカリー
 これで俺たちも然るべき賞賛をもらえるかもな?

ザッカリー
 ……このゲームの雰囲気をぶち壊し続ける限りな。
 そりゃ作者の落ち度なんだけど。

ザッカリー
 しかしなあ。
 プレイヤーならアクションを楽しめるだろ。でも読者はこんなダラダラしたお喋りが本当に好きなのかね?

ザッカリー
 これがあいつのAUにどう効いてくるのかは後のお楽しみだ。

ザッカリー
 ……まあ、「あいつの」AUとは言いがたいな。
 このゲーム、よくクロスオーバーされてるし。

ザッカリー
 お前さんなら俺の言いたいことは分かるだろう!
 ハハハハ。

バッター
 ……何かここに居るべき理由でも?

ザッカリー
 お手軽なファンサービス以外にってことか?
 ……考えてみれば、あるとは言えないな。

ザッカリー
 ガスターなら、お前さんを止めるために俺を連れて来たと言っただろう。
 あいつは良い奴だ。

ザッカリー
 俺はこれ以上先に行くなとお前さんに伝える予定だったんだが、どうせプロットとして先に進むことになるんだっていうのは俺たち二人とももう承知してる。

ザッカリー
 だから代わりに俺はパブロに会いに行ってくるよ。
 様子を見に。

ザッカリー
 そうだ、お前さんが今すぐここで止めたいと思ってるならな。
 その「タマシイ」を捨てろ。

ザッカリー
 そいつはお前さんが考えてるような代物じゃない。

ザッカリー
 ……。

ザッカリー
 さーて。
 また会おうぜ、お二人さん!
 あのおチビさんには気をつけろよ。


バッター
 さて。

フラウィ
 もう消えた?
 今度は誰だったんだよ、ボーイフレンド?

バッター
 いや。
 気の狂った商人だ。

ザッカリー
 コラ!
 聞こえたぞ!

フラウィ
 うわ。
 キミ、本当に……
 実在してたのか。

ザッカリー
 いや、違う。
 俺たちは誰一人として実在しちゃいないんだ、お花くん。

ザッカリー
 あと言っとくが、俺たちは今も昔もボーイフレンドなんかじゃない。
 俺は商品とクレジットと幸せな結婚生活を送ってる。

ザッカリー
 それに狂ってもいないぞ。


フラウィ
 ……。
 とにかく……先に進もうか?


 ゴミ捨て場にて。


フラウィ
 ちょっと、キミ危うくボクの真上に落ちるとこだったぞ……


フラウィ
 でさ……
 ここの水……
 凍ってる、よね?
 変なの……


フラウィ
 なんだよ?
 何で滝なんか見つめてんの?

バッター
 ……。


 >:)


 さらにその後。


モンスターの子
 ま……待ってよ、二人とも!

フラウィ
 やれやれ。
 またあのバカか。


モンスターの子
 ……オッス……
 オレ、またアンダインに会ったんだ。

モンスターの子
 オマエらを見張ってるって言ってた……
 遠くの、安全なとこから。

モンスターの子
 でも……あのな。
 アンダインが言ってたの、それだけじゃないんだ。

モンスターの子
 アンダインは……
 オマエが、ここに落ちてきたニンゲンだって……みんな灰色になっちゃったことの原因だって言ってた。

モンスター
 アルフィーがアンダインに言ってたよ……オマエがパピルスを攻撃したって。
 あと兄ちゃんも。
 このまま進んで行ったら、オマエはもっとたくさんの人を傷つけるかもしれないって……

モンスターの子
 ……でもさ……
 そんなのホントじゃないよな?
 オマエはオレたちと同じだ! な、そうなんだろ?!

バッター
 ……。

モンスターの子
 ……なあ……何で答えないんだよ?
 頼むよ、何か言えよ!

バッター
 やったのは私だ。
 この地は浄化された。

バッター
 私の邪魔をするなら、お前はこの世から消えることになる。
 分かったか?

モンスターの子
 ……オマエが、ホントにやったんだ……
 ハハハ……ハ……

モンスターの子
 (コイツ……このまま行っちゃうの?)
 (行って……やるべきことをやるの?)
 (それってつまり、コイツはこれから……)

モンスターの子
 (……ヤ、ヤベエ……)
 (アンダインは居ない、コイツを止められない……)
 (……どうすればいい……?)

バッター
 聞こえなかったのか?
 邪魔をするな。

モンスターの子
 ……オ、オ、オレ……
 (心臓が……口から飛び出ちゃいそうだ……)

モンスターの子
 ……ダ、ダメだ……
 オレ……
 ……お、おい! これ以上オマエに、だ、誰かを傷つけさせてたまるか!

モンスターの子
 オマエがホントに全部終わらせたいってんなら……
 そ、そんなら……
 オレを倒していけ……!
 そ、それで……それで……あぅ……

バッター
 ……。


 邪魔だ。


 モンスターの子 2ATK 2DEF
 その目は恐怖に満ちている。


モンスターの子
 アンダイン……ケガが……

アンダイン
 ケガ? ……フン。こんなの……ぐっ……大したことじゃない。

アンダイン
 次は……わたしが行けと言ったらそうするんだぞ、いいな?

アンダイン
 ……もっとも、「次」があるようには思えないがな……

モンスターの子
 アンダイン……オレ……

モンスターの子
 オレ、強くなりたかっただけなんだ……
 ……アンダインみたいに。

アンダイン
 わたしのように……?

アンダイン
 キッド。
 わたしは頑丈だ。
 だが強くはない。

アンダイン
 わたしはお前に、こいつらを見張っていたと言ったな……

アンダイン
 ……それは嘘だったんだ。

アンダイン
 わたしはずっと隠れていた。
 わたしは……大人のニンゲンと対峙するのが怖かった。

アンダイン
 わたしは生き延びようと必死だった……
 そのせいで、残してきたもの全てが犠牲になっていたかもしれない。

アンダイン
 そして恐らく……
 わたしの命も。

アンダイン
 ……。

モンスターの子
 ……。

アンダイン
 だがキッド、お前はな。

アンダイン
 あれだけわたしがお前に酷いことを言おうと……

アンダイン
 どんなにアルフィーのところに避難する理由があろうと……

アンダイン
 あるよそ者が気まぐれで地獄を見せようと……

アンダイン
 そして何より、その男がお前の命を脅かそうと……

アンダイン
 お前はその男に立ち向かった。
 その男と、わたしたちが残してきたもの全ての狭間に立った。

アンダイン
 ブルブル震えてまでな……それだけ怖がっていても、お前は引き下がらなかった。

アンダイン
 それが勇気だ、キッド。
 それが真のヒーローの行いだ。

アンダイン
 そしてそれこそが本当の強さというものなんだ。

アンダイン
 や……約束しよう、キッド……

アンダイン
 お前が自分の信じるもののために立ち上がる限り……恐怖の心があっても……

アンダイン
 お前は強くなるさ、何があってもな!
 わたしが約束する……


モンスターの子
 アンダイン……

フラウィ
 おっ、ヒューヒュー!
 おチビさんが泣き出しそうだぞ!

フラウィ
 最初は家族、今度は憧れの人!
 次は何かな? 腕でも失くしちゃう? おやあ!

フラウィ
 何だよ、泣くの?
 居もしない親に泣きつくかい? やってみろよ、ほら!

モンスターの子
 おい! 黙れ!

フラウィ
 ……何だ?
 どうしたんだよ、お前……
 その目……

モンスターの子
 アンダイン……
 あの人は正しかった……!

モンスターの子
 アンダインが言ってたことが今なら分かる……
 ヒーローとは何かってことが……

モンスターの子
 この感情……
 これも……分かる……

モンスターの子
 オレの全身が逃げ出したいって叫んでる……

モンスターの子
 でも、心の奥のこの感情が……
 オレに言うんだ……
 もう逃げなくてもいいんだって!

モンスターの子
 ここから先に行ったら……
 オマエは本当に全部消しちゃうんだ、そうだろ?

モンスターの子
 でも……そんなことオレが許さない!
 オマエに立ち向かう強さを得た今、絶対に!

モンスターの子
 この世の全てのタマシイの勇気と一緒に……

モンスターの子
 オレが……!
 キッドが……!

モンスターの子
 オマエを!
 必ず!
 打ち倒す!

モンスターの子
 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!


マスターキッド
 今までみたいにいくと思うなよ!


 真のヒーローが現れた。


 マスターキッド 99ATK 99DEF
 正義の拳。
 勇気の力があなたを止め、この世を救う。

マスターキッド
 へえ、槍を投げるのってこんな感覚だったんだ?

 → 【左手を攻撃】

マスターキッド
 なあ!
 そんなヘボい攻撃でオレを止められると思ってんの? ハ!


 風が呻っている……

 → 【右手を攻撃】

マスターキッド
 それでオレにダメージを食らわせられるとでも思ったのかよ!
 オレには腕なんか必要なかった!


 その目からは恐怖が消えている。

 → 【マスターキッドを攻撃】

マスターキッド
 ……分かんねえ……

マスターキッド
 分かんねえよ……

マスターキッド
 オレは強かった……
 オマエに立ち向かって……

マスターキッド
 オレが信じるもののために……
 オレのトモダチのために……
 この世界のために戦えるくらい……

マスターキッド
 オレは……
 強くなるっていうのは……そういうことだと思ってた……

マスターキッド
 ……なあ……

マスターキッド
 オレ、間違ってたのかな?



 (彼は逝った。)